スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年5月28日 (火)

Bリーグチャンピオンシップファイナル B1昇格4シーズン目の広島が昨年王者の琉球を50点に抑えて初優勝 

28日=横浜アリーナ(観衆1万2209人)バスケットボール男子Bリーグ、プレーオフ「チャンピオンシップ」決勝(2戦先勝方式)第が行われ、広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード)が琉球ゴールデンキングス(西地区2位)を65対50で破りB1昇格4シーズンでの初優勝を果たした。広島は62対74で初戦を落としたものの、2戦目に持ち味の守備を大きく修正。72対63で前年王者を退けた。西地区2位で3季連続でのファイナル進出を果たしたで琉球に対し、ワイルドカードから這い上がった新勢力・広島が初優勝。Bリーグ8年目のシーズンでの大きな転機ともなった。「日本生命ファイナル賞」は広島の中村拓人で第2戦13得点をあげ、第3戦も12得点をマークしチームをリードした。
「BリーグチャンピオンシップMVP」は山崎稜で、第2戦では5本中4本の3ポイントシュートを決めるなど14得点をあげてファイナルの行方を変える活躍を見せた。会見では、広島のミリング監督が「50失点に抑えたのはCSの新記録では?」と逆質問。過去のファイナルでは(19~20シーズンは新型コロナウイルスで中止)17~18年に優勝した東京が千葉を60点に抑えている(当時は決勝1試合のみ)。一方、広島の得点65点も過去のファイナル優勝チームではもっとも低いスコアだった。

(以下会見より抜粋)

広島・ミリングHC 琉球を心から称えたい。この地で素晴らしい試合を繰り広げた。チームはこのシーズンを通じてタフな戦いをしてくれた。10名がプレーをし9人がスコアしている。これが本当の強みで化学反応は素晴らしいものだった。接戦を勝ち取る試合はシーズン中もあったし、きょうは第1クオーターから持ち味の守備で集中力を示した。 50失点はファイナルの最少失点ではないか?3年前の就任時には、お客さんが半分も埋まっていない試合もあった。試合前、アシスタントコーチにモチベーションビデオを作ってもらい、ファンの笑顔を詰め込んだものできょうはファンのために戦おうと送り出した。

山崎稜 優勝した瞬間は実感が湧かず変な感覚だったがチームメートが喜んでいる姿を見て、優勝したんだ、と思った。シーズンではなかなか勝ち星が重ねられなかった。それでもやり続けるしかないと闘ってきて、CSが見える頃には「チームケミストリー」が素晴らしいものになっていた。CS出場を決めて、周りには耳を向けず、一切気にせず自分たちを信じた結果できょうがある。前半相手を29点に抑え、この上ないDFができたと思う。

中村拓人 ファンが喜んでいる姿を見て、あぁ優勝したんだと思った。クラブの歴史を作った中にいられたことがうれしかった。(広島は)カープやサンフレッチェが人気で、それに負けなくないなと思っていたし、きょうもスタジアムでパブリックビューイングをして下さって、応援して下さる皆さんに恩返しができた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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