スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年5月18日 (土)

平均年齢17・6歳、若き体操女子パリ五輪代表決定のなか「休んでいても競技復帰はできるんや・・・」選考会で光った24歳、杉原のキャリア

 代表に決定した5人全員が初のオリンピック出場というフレッシュさに加え、宮田笙子が19歳で最年長、2位の岸里奈は16歳、3位の岡村真(まな)18歳、4位の中村遥香はこの日が誕生日で16歳、貢献度で最後に代表入りを決めた牛奥小羽(こはね)が19歳と代表5人の平均年齢が17・6歳と「若さ」がアピールされる五輪代表が選出された。
 そうしたなか、22年に一度は引退しながら昨年現役に復帰。この日は段違い平行棒での落下が「すごく痛かった」と大きく響いて合計210・359点の5位で選考会を終えた杉原愛子のキャリアが光った。
 試合後は「パリを目指してここまでやってきたので悔しい」と悔し涙を流していた。3大会連続での五輪出場は叶わなかったが、段違い平行棒での落下の後、ミスを全く引きずることなく平均台、ゆかをまとめ「体操の魅力は伝えられた。自分が選手ではない側から体操を見て、自分の体操が好きだ、と思えた。それと(一度)休んでいても競技復帰はできるんや、と発信できた。代表選手たちと(五輪選考会を)戦えたことは誇りに思う」と、胸を張った。
 引退は否定し、「(五輪まで)何があるか分からないから準備はしとかなあかん」と、パリ五輪の補欠になる可能性があり、若き代表をパリまで支える重責を自ら掲げた。
 引退を表明した際も「競技者ではなく演技者になる」と話し、基礎練習に一日数時間も割くなど1から体操に取り組んだという。ケガや体調不良に苦しんで引退する選手も多い競技で、途中休んでまた第一線に戻った選択が「ロールモデルになればうれしい」と話す。代表にはなれなかったが、日本女子体操界を「代表」する選手として、新たな道標を立てた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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