欧州でプレーする選手とU23アジア杯を視察した森保監督が帰国 「日本サッカーがメダルを取るために(五輪代表大岩監督と)連携していく」オーバーエージ枠への全面協力の姿勢を示す
30日=成田空港 1カ月もの欧州でプレーする選手たちの現状と、29日にイラクを破ってパリ五輪出場権を獲得した(決勝進出)U23代表のアジアカップをカタールで視察したサッカー日本代表・森保一監督(55)が帰国し、4月5日のフランクフルト対ブレーメンをスタートに回った14試合の収穫を振り返った。もっとも印象的だった試合について「(昨晩)試合を観たばかりなので大岩ジャパンの躍動ぶりです。第1戦目の中国戦から(退場者を出して)重圧がかかったなか、しぶとく勝って1試合1試合、個人もチームも成長していった。夢は与えられるものではなく、自分でつかみ取るんだという姿勢を見せてくれた。優勝して欲しい」と、大会初戦の中国戦わずか17分で西尾隆矢(C大阪)がレッドカードで退場してから、29日(日本時間30日未明)にパリ五輪出場権(大会上位3チーム)を獲得するまで、苦闘しながら勝ち抜いた若き代表を称賛した。
今後は、オーバーエージ枠(五輪代表に最大3人、U23以上の招集が可能)をどう決めるかが課題で、A代表から守備陣の参入が検討されている。「(大岩監督とは)今回は(突破が目的なので)距離を取っていましたが、今後は細かく話をしながら日本サッカーがメダルを取るために連携して強化で繋がっていくということを話している」と、両代表の連携を強調した。
日本代表はすでに2026年W杯北中米大会アジア2次予選を全勝で突破。このため、残るミャンマー戦(6月6日=ヤンゴン)、シリア戦(11日=広島)を含めA代表の活動から、パリ五輪への準備段階にある五輪代表にオーバーエージ枠の選手を含めて「移籍」させる強化策も示唆。五輪世代でA代表のMF久保建英(Rソシエダード)、GKの鈴木彩艶(シントトロイデン)に関しても、オーバーエージと合わせて6月のW杯予選には招集しない可能性が高い。
監督は今回のU23アジア杯で「A代表で使いたいと思う選手もいる」と話し、今回名波浩コーチとも手分けをして視察した欧州でプレーする選手の見極めと26年までの青写真をすり合わせていく。
五輪代表は、FIFA(国際サッカー連盟)のIW(インターナショナルウィーク)の活動の範囲外のため、選手の招集にクラブ側は必ずしも協力を前提にしない。こうした難しい規定のなかで、日本はどこまで臨む形の「代表」をパリに送り込めるか、ピッチ外の様々な関係性も求められる。