スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年3月23日 (土)

日本サッカー協会・田嶋幸三前会長が任期8年を満了で退任、宮本恒靖新会長へバトンタッチ「先ずはひざの手術をしてゆっくりしたい」FIFA理事は継続

23日=日本サッカー協会(東京文京区) 日本サッカー協会、定時評議員会と臨時理事会を開催し、8年の任期を満了した田嶋幸三会長(65)の後任として宮本恒靖新会長(47)の就任を正式に決定した。新理事会の互選となり、新理事には、柔道の山口香氏(筑波大教授)、国際審判員として活躍した北海道協会の大岩真由美氏、アルビレックスで現役の川澄奈穂美、WEリーグチェアの高田春奈氏らが入った。田嶋前会長は16年3月にJFAの第14代会長に就任して以降、会長職を最大期間となる4期8年を務めた。
 退任会見に臨んだ田嶋氏は、冒頭のあいさつで26日のW杯アジア2次予選・アウェー北朝鮮戦が、21日の試合後に朝鮮側の都合で平壌開催がなくなり、翌22日に代替地での開催もなくなり中止が決まった詳細をメディアに説明。「FIFAの規律委員会で(今回の扱いを)決めるがどういう結果になるか、決まり次第アナウンスする」と、退任会見までW杯予選の対応に追われるという激動の8年を象徴する状況となった。
 任期中にコロナ禍に見舞われ、海外出張から帰国してサッカー界で最初に発症した件や、18年のW杯直線、契約が残っていたハリルホジッチ日本代表監督を西野朗監督に急きょ交代した決断、22年カタールW杯前に森保監督の続投に様々な声があがったことなどを振り返り「最後は決断する点で孤独だった。しかし自分のために、とか立場をと考えたことはなく、いつも無私の気持ちで(決断に)臨んだことが結果につながったのかもしれない」と、考え深げに振り返った。今後は先ず、痛めた右ひざの手術に臨んでゆっくりしてから「実はやりたいことリストもあるので・・・」と笑った。このところは、松葉杖を使って業務にあたっていた。
 日本協会は退任するが、AFC(アジアサッカー連盟)理事会メンバー、FIFA(国際サッカー連盟)理事の職は今後も続き、また日本のスポーツ界からも様々な役職でリーダーシップを発揮する場面が予想される。


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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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