なでしこジャパン パリ五輪切符をかけた大一番まで約2週間で試合地未定 メンバーは発表も、スケジュールは「白紙」と異例の事態に
8日=千葉市内 日本サッカー協会は、24日に迫っているサッカー女子オリンピック最終予選の北朝鮮戦(24日アウェー、28日ホーム国立競技場)のアウェー戦について、中立国(北朝鮮以外)での開催の可能性をAFC(アジアサッカー連盟)と北朝鮮サッカー協会が検討していると明らかにした。
この日、日本代表「なでしこジャパン」のメンバーとスケジュールが発表されたが、22名のメンバーと同時に示されたスケジュールはホームでの26,27,28日以外文字通り「白紙」。切符をかけた大一番を約2週間後に控えるなか、異例の事態となった。
パリ五輪出場国はアジアで2枠。日本は北朝鮮とのホーム&アウェー、オーストラリアとウズベキスタンがホーム&アウェーでそれぞれの勝者がパリ五輪に出場する。
「ホーム」戦に関しては、開催国が会場、入国ほかの運営・事務手続きを行うのがルールで、日本側はすでに国交のない北朝鮮の女子チームが入国できるため各方面への調整、準備は行っている。
一方昨年末、平壌の「金日成スタジアム」で3月24日にホーム戦(第一戦)を開催すると発表した北朝鮮からは、その後、具体的な運営手順が示されず試合まで2週間となった。同国に入国する定期便もない点などをAFCが懸念し、別の中立国を提案したらどうかと打診したという。
池田太監督とともに会見に臨んだ佐々木則夫・女子委員長は「ホーム(日本にとってのアウェー)について、日本が何かを希望したり提案はできない。中立国での開催はあくまでもAFCが主導し北朝鮮サッカー協会と調整して決めて頂くしかない」と、待つ立場と強調した。中立国には、中国、マレーシアなどが候補にあがっているようだ。
ピッチを預かる池田監督は、昨年、あえて厳しい日程でのブラジル遠征を組むなど試合に臨む対応力を選手に求めて来た。会見でも「想定外のことはあるが動揺せずに準備をしなければならない。選手は様々な経験をしているので・・・(心配していない)」と、全幅の信頼を口にする。なでしこジャパンは13日から千葉市内で合宿をスタートする。昨年のW杯得点王の宮澤ひなたは足首、猶本光はひざのケガで選出されなかった。
なでしこジャパンは2016年のリオデジャネイロ五輪の最終予選で敗退。20年の東京五輪は開催国枠での出場のため、アジア最終予選を勝ち抜いての出場は2012年のロンドン五輪(銀メダル)以来となる。