スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年12月 9日 (土)

サッカー天皇杯 川崎が10人の死闘PK戦を制して3大会ぶり2度目の優勝 11年ぶりVを狙った柏は1週間でJ1残留から天皇杯準優勝へ

9日=国立競技場(観客62837人) 24年1月に大陸王者を決める「アジア杯」がカタールで行われるため、12月に日程を前倒しして行われた天皇杯決勝が国立競技場で2年ぶりに行われ延長含め120分の戦いでも決着がつかず、最後は川崎がPK戦を制して(8対7)3大会ぶり2度目の優勝を果たした。
 決勝では初対戦の両チームは、シーズン終了まで川崎は公式戦10戦負けなし(8位)、柏は、ネルシーニョ監督から井原正巳監督への交代もあって、最後までJ2降格争いの渦中で厳しい終盤戦を17位でサバイバルと、対照的な状況で天皇杯決勝に勝ち残った。
 前半は柏が主導権を掴み、川崎を上回るコンディションの良さか、セカンドボールを積極的に奪う守備からと前線へ、細谷真大ら前線のスピードあふれる攻撃を続け、川崎ゴールに迫った。
 川崎はパスワークを最大の持ち味に柏の守備を崩そうとするが、柏の最終ラインの固いDFに阻まれる。川崎は前半シュートわずかに2本、CK0本と、シーズン17位の柏に押し込まれ受けてしまう展開となった。
 柏も15本のシュートを打ちながら精度に欠け、前半は0-0のスコアレスドローで折り返した。
後半も両者展開は大きく変化しないまま、24分には、柏のサヴィオが自陣でボールを大きく蹴り出し、川崎DFの間を抜ける。細谷は厳しいチェックとボディコンタクトにも低い重心で踏みとどまって前進。GKチョンソンリョンと1対1の大きなチャンスとなったが、細谷のタッチが前に流れてしまいGKにキャッチされてしまった。アディショナルタイムが8分となったがともにチャンスをものにできないまま試合は延長戦へ。延長前後半もゴールには
迫るものの得点は奪えず、昨年の天皇杯決勝に続きPK決着にもつれた。
 両チーム2人ずつ外して迎えた10人目は(柏の古賀が負傷のためPKを蹴れず、柏から10人の申し入れに川崎が合意しジェジエウが外れる)柏の川崎、柏ともにGKがキッカーに。川崎のチョン・ソンリョンは成功したが、延長に入って好セーブを連続した柏のGK・松本はチョン・ソンリョンに止められ川崎の優勝が決まった。
柏・井原正巳監督が先に会見を行った。

井原正巳監督 この1週間でJリーグの残留から、きょうはチャンピオンを争う戦いができたのは選手たちがやってきたことがつながった結果だった。延長、PKは想定していたし、試合には素晴らしい入りをしていたし、90分、120分結果がつかないなか自分たちのサッカーを表現してくれた。前線からの守備は掲げていたし、強度を落とさずに意識をしてやってくれた。いいボールの回収ができて攻撃につながった。ただしシュートは、ミドルだったり無理やり打ったシュートもあったのでよりシュートを高めて行かなくてはならない。サポーターには勝利をプレゼントできないシーズンになって申し訳なかったしきょうは悔しい結果にはなったが、必ず次につながる準優勝になる。

川崎・鬼木達監督 フロンターレ、レイソルのサポーターがやりがいのある雰囲気を作ってくれた。終始柏のぺ-スで自分たちのサッカーができなかった。自分も、チームもこれから力を付けなくてはならない。まだACLもあるので、これを活かして力をあげていきたい。シーズン
最後、ここ10試合近く、きょうのようにやるべきことを我慢強くやって負けない、勝ちにつなげられる、そういうサッカーでやってきたのを選手が小さなことでもやり続けてくれたので涙が少し・・・PKになっても気持ちが大事とMTGで話していた。
 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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