スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年10月 7日 (土)

アジア大会女子サッカー日本代表が北朝鮮を4-1で下し男女通じ初連覇で3度目の金メダル獲得 1A1Gの谷川、DF古賀、小山と10代が躍進

アジア大会(中国・杭州)女子サッカー決勝が6日行われ、日本女子代表は北朝鮮を4-1で下してアジア大会連覇を果たした。同点で折り返した日本は、後半21分から27分の6分間に一気に3点を奪う怒涛の攻めを見せて北朝鮮を振り切った。
 前半10分、昨年のU-20W杯コスタリカ大会代表の山本柚月が、中央を上がった中嶋淑乃へ左足でスルーパスをつなぎ、これを中嶋がGKと1対1となり冷静に浮き球でシュートし、日本が先制点を奪った。前半は北朝鮮に同点にされて折り返した。
 後半立ち上がりから北朝鮮のパスワークに翻弄されながらも後半21分、左CKのチャンスに谷川萌々子がゴール前の大沢春花にピンポイントで合わせて大沢がヘディング、これで勝ち越しに成功した。同24分にはCKで2点目をおぜん立てした谷川が、相手GKが体勢を整える前に切り返しから左足でシュート。これで3-1とダメを押した。さらに3分後、今夏、W杯オーストラリア・ニュージーランド大会になでしこジャパンとしてプレーした千葉玲海菜が左サイドを一人で突破し左足でゴールを奪い北朝鮮を突き放した。
 1アシスト1ゴールと優勝に貢献する活躍をした谷川、苦しい時間帯に身体を張ったクレバーな守備で再三のピンチを救ったDF古賀塔子ともにJFAアカデミー福島の選手で、W杯にトレーニングパートナーとして帯同した10代が貴重な経験を大舞台でのタイトル獲得にさっそく活かした形となった。また、昨年Uー20W杯でサイドバックとしてフル出場したDF小山史乃観(こやま・しのみ)も18歳と、10代が先発しフル出場で存在感を見せた。

 22年U―17日本代表で4得点を奪って「シルバーブーツ賞」を獲得したMF谷川萌々子(18)、同代表のDF古賀塔子(17)はW杯中に、初々しい表情で取材に応じ来年のパリ五輪代表入りを狙うと口にしていた。ボランチの谷川は168センチ、センターバックの古賀は173センチと、なでしこのW杯中の対戦相手を想定して大柄な海外選手役を務めた。
 谷川は「(相手のボランチが)どんな特長をもって、どういう動きをするのか理解してピッチに入るようにしています」と話し、古賀は「身長が高いのでセットプレーでは相手(先輩)の脅威になるようにがんばっています」と、「大役」を約1か月間、忠実にこなした。そうしたトレーニングと本人たちの意識の高さが、アジア大会で先ず成果を見せた。2人はニュージーランドで「4年後のW杯では中心選手になって優勝できるようになりたいです」(谷川)「帯同して、W杯で優勝したいという気持ちがより強くなりました」(古賀)と、話していた。育成年代の選手にとって、W杯での経験がどれほど大きな財産となったか、北朝鮮戦で2人が存分に示した。2人はともに来年U-20W杯優勝に挑む。

 ■谷川萌々子(たにかわ・ももこ)05年5月7日、愛知県出身。18歳。幼稚園でサッカーを始め「グランパスみよし」を経て、現在、JFAアカデミー福島に所属。左右を均等に使うキックが持ち味のボランチ
■古賀塔子(こが・とうこ)06年1月6日、大阪府出身。17歳。小1でサッカーを始め「FC Grasion」からJFAアカデミー福島に。対人の強さ、運動量で、なでしこジャパンの守備の要として期待される。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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