スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年8月29日 (火)

ブタペスト世界陸上100㍍6位のサニブラウン「今後につながる大会だった。これから3種目に耐える体にしたい」200㍍出場の意向示す

29日=羽田空港 27日に閉幕したブタペスト世界陸上男子100メートルで、昨年のオレゴン世界陸上に続く入賞(6位)を果たしたサニブラウン・ハキーム(東レ)が、一時帰国した羽田空港で取材に応じ、来年のパリ五輪に向けて「内容豊富な(ブタペスト)世界陸上で、昨年よりステップアップして、今後へつなげられるんではないか」と充実感を漂わせた。
 今大会では、100㍍3レースに加え400㍍リレーで2レースも走り、これまで以上の力を出し切った。
「体にも余裕があったので精神的にもそれほどいっぱいいっぱいにはならなかった」と手応えを表現する。一方で、ここで満足せず、パリ、その先の25年東京世界陸上に向かって久しぶりに200㍍にもチャレンジするとした。
「(今後3種目で)耐えられる体にしていかないとならない。まだ具体的には分からないが、200㍍もやっていきたいと考えている」 
 すでに引退したがウサイン・ボルト(ジャマイカ)に続き、今大会でもアメリカのノア・ライルズが短距離3冠の偉業を果たしており、サニブラウンも短距離全てを走る「スプリンター」へ、楽しみなチャレンジに踏み出す意向だ。
 25年の東京世界陸上に向けても広く視野を持っている。ブタペストでは、設備も運営も満員の観客の前で走れる経験を「素晴らしかった」とした上で、「国立(競技場)ならもっと入る。満員の中で走れるのは、ものすごくうれしいこと。(東京世界陸上で)」満員で走るのが一番の夢になるのかな」と、2年間の照準をしっかり定めていた。今季は海外転戦をし、オフに日本で子どもたちやファンとのつながりを深めるためのイベントを開催する予定だという。
 日本陸連の「ダイヤモンドアスリート」同期のやり投げ北口榛花(JAL)の金メダルについて「アイツが大舞台で強いのは分かっていたのでやってくれると思っていたし、刺激になった」と敬愛を込めた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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