スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年7月20日 (木)

サッカー女子W杯開幕戦 日本の山下主審らがオープニングマッチ担当 3分け12敗と未勝利のニュージーランドが候補の一角ノルウェーを1-0で下す波乱

 サッカーの女子W杯オーストラリア・ニュージーランド(共催)大会が開幕し、5大会連続6回目の出場となったニュージーランドが大会通算16試合目で優勝候補の一角ともされる強豪、ニュージーランドを倒して、W杯初勝利を挙げた。
  FIFAランク26位の開催国に対し、ノルウェーは95年大会で日本と並んで優勝も経験している4カ国のひとつで世界12位の上位国。しかし、4万人を超えたオークランドの地ファンの前で強力な後押しをバックに後半3分、FWウィルキンソンが先制点を奪ってこれを守り切り、3分け12敗というW杯未勝利に区切りをつけた。  

 20日早朝には試合会場のオークランドで、建設工事現場に侵入した男が散弾銃を乱射して2人が死亡、警察官を含む6人が負傷する惨劇があり試合開催も危ぶまれ、事件現場はノルウェー代表の宿舎から近く、政府とFIFA(国際サッカー連盟)が対応を協議。試合は予定通り始まったが、犠牲者に黙とうがささげられ、選手たちは黒い腕章を着用してプレーした。
  開幕戦は日本の山下良美主審、坊薗真琴、手代木直美両副審が担当。女子W杯の開幕戦で日本人が主審と副審を務めるのは初めて。後半終了間際にはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入もなされたが、山下主審が大きな声でクリアに(判定結果を)場内に宣言するなど毅然と対応した。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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