スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年5月30日 (火)

カズ ポルトガルから4カ月ぶりに帰国も休日3日で自主トレ開始を明言「(去就は)自分が燃えられるか、情熱を持って行けるかを考え、オファーを待つ」

30日=羽田空港 2月から、ポルトガルリーグ2部のオリベイレンセに移籍し今シーズンの全日程を終えたカズ、三浦知良(56)がポルトガルから帰国し、羽田空港で取材に応じた。最終節では、ホームでレイションイスと対戦。後半19分から、今季3試合目、最長となる出場時間でキャプテンマークを巻いて4-3と勝利を飾った。
 ロンドン経由で帰国したカズは、「(出場試合数など)決して満足はしていないが、毎日精一杯、全力でやった結果、今の自分の実力ではこんなものだと思っている」と、「カズらしく」プロの矜持を口にした。この試合でマン・オブ・ザ・マッチを受けた件については、相手の監督は「サーカスになる」と、7ゴールが生まれた試合でカズが受賞した選出を疑問視し、選んだTV局は「象徴だ」と反論するなどヒートアップしているが、カズ自身、誰より疑問に思い、嫌だったに違いない。「自分が受けるものじゃなかったので断ったが、(地元の放送局が決めたもので表彰に)行かないと罰金を取られるというので(受け取りに)行きました。はっきり言って嫌だった」と心情を明かした。
 若い選手たちと、体を張って毎日トレーニングし、ブラジル人、フランス人、アフリカからの選手と多国籍軍の中で戦い、食事を共にし、勝利を目指した日々を「財産」と、難しい移籍の中での手応えを表現した。ポルトガルでは、Jリーグとの比較も常に行っていたそうで、カズは、ポルトガルは、ゴールに向かって勝負する姿勢、何としてもシュートで終わろうとするプレーが徹底していたという。
 今後の去就については、「また考えて、オファーを待って、自分がどこに行ったら一番燃えられるか、情熱を持っていけるかを考えて選択をしたい」と話した。2つのリーグでシーズン休養なしとなる異例の今季、休養は2、3日で、早くも大阪府内でのトレーニングキャンプに入るという。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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