スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年3月20日 (月)

サッカー日本代表 2026年北中米W杯へ始動 「W杯経験した選手が中心にならない」DF板倉はベテラン不在の代表で自覚を口に

20日=千葉県内 サッカー日本代表が、昨年のW杯カタール大会後、森保一監督の再契約に伴い誕生した「第2次森保ジャパン」が、2026年の北中米W杯(アメリカ、カナダ、メキシコ)に向けて始動し、千葉県内で練習を行った。24,28日に行われる「キリンチャレンジカップ」でウルグアイ、コロンビアとそれぞれ対戦する。
 初日の練習には26人中、合流前の一部海外組を除いた16人が参加。ランニングでは、遠藤航(シュツットガルト)らが、吉田麻也(シャルケ)、長友佑都(FC東京)らの定位置でもあった「先頭」を走り、初招集のバングーナガンデ佳史(FC東京)や半田陸(ガンバ大阪)らも少し緊張した面持ちながら、声をかけ合いながら溶け込んだ。
W杯で日本代表史上初の2大会連続16強進出を果たしたが、攻撃面での底上げが課題のひとつとなる。W杯は鋭いカウンターが功を奏した一方、グループリーグ2戦目のコスタリカ戦のように、ボールを保持できる状態での攻撃ではなかなかチャンスを生み出せなかった。
 もう1点の課題が、長くチームをけん引し、日本代表の顔とも呼べる仕事を続けた吉田麻也選手(シャルケ)や長友佑都選手(FC東京)らベテラン勢からの「新生日本代表」としての個性の確立だ。ベテラン勢がこれまで過去の代表から長く繋げてきた日本代表としての強い気持ち、責任感を、所属クラブで好調を維持する三笘薫(ブライトン)や久保建英(レアル・ソシエダード)、堂安律(フライブルク)ら中堅がどう表現し、今回招集された若手とともに、世代交代をどう完成させるか。監督にとって重要なマネージメントとなりそうだ。
 カタール大会では初出場ながら安定したプレーを見せた26歳の板倉滉(ボルシアMG)は「新しいメンバーもたくさんいて、僕も年齢的に若くない。W杯を経験したメンバーが中心にならないと」と、DF最年長となった「ポジション」に強い自覚を口にし、同じく初出場ながらボランチで出場したMF守田英正(スポルティング)は「勝って良いスタートを切ることが大事」と、W杯では対戦しなかった南米勢との対戦に臨む。
 カタール大会後、初の強化試合として24日、東京・国立競技場でウルグアイ代表と対戦。28日には大阪・ヨドコウ桜スタジアムでコロンビアと戦う。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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