スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年3月28日 (火)

サッカー日本代表 キリンチャレンジ杯コロンビアに1-2と逆転負け 3月の強化試合2仕合は勝利なしで終了

28日=キリンチャレンジ杯(大阪・ヨドコウスタジアム、観衆20005人)サッカー日本代表が、2026年W杯に向けた新チームで始動した強化試合2試合目のコロンビア戦に臨んだ。前半試合開始早々の3分、守田からのクロスにファーに飛び込んだ三笘がヘディングでゴールを決めて先制する。この試合、24日のウルグアイ戦から、瀬古、遠藤、堂安、浅野に代わってバングーナガンデ、西村、伊東、町野の4人が先発に起用され、バングーナガンデは左サイドバックで日本代表にデビューとなった。新たな顔ぶれも入るなか、カタールW杯出場選手が試合に落ち着きをもたらした。
 守備での余裕を持って試合を展開する日本は、守備から攻撃への速い展開で、FIFAランキングでは日本を上回る17位の南米の強豪と組んだ。しかし不用意なファウルも多発し、セットプレーでピンチを招くなどし、33分には、コロンビアのマチャドが左サイドの突破を許し、そのままペナルティエリア左に進入してマイナス方向にクロス。走り込んだデュランが左足でシュートを決め、同点に追い付かれた。
 後半に入ると、コロンビアが日本の中盤に対して速い寄せをしながら、代表をじりじりと下げていく。後半DFに入った瀬古が、デュランとのロングボールの競り合いをし、ボールが右へ転がると、アリアスがこれに反応。切り返して板倉をかわしてシュートを放つとGKシュミットが一度は防いだが、こぼれ球をボレが華麗なバイシクルシュートでゴールに突き刺し1-2と勝ち越しを許してしまった。
 その後、久保を投入して前線を動かそうとしたが、決定機を生み出せず試合終了。森安ジャパンの船出となる南米勢との2連戦は、勝利なしで終了した。次の代表活動は6月の見込み。

以下監督会見より要旨のみ抜粋
 
 コロンビア・ロレンソ監督 スペクタクルないい試合だった。両チームとも攻撃的にいい試合をした。日本という強豪国を相手に、いい試合をした選手に感謝しているし満足している。韓国とも先週対戦しているが(25日)より攻撃的でコンパクトだ。一方日本には1対1に強い選手が多くいる印象だ。W杯は規模が違い、各国の代表がフィジカル、テクニカルを披露する最大の舞台だ。

 森保一監督 いい形で先制点を取って、相手にダメージを与えていく試合展開ができず反省しなければならない。選手たちはウルグアイ、コロンビア戦に向けて、カタールのW杯から変わってきたなかで、チームのチャレンジ、、個のつながりでも、より共通意識を持ってクオリティをあげようとしてくれた。今できることを頑張ってくれた。失点の前のシーンで、交代カードの切り方で失点につながったので、私自身、反省しなければならない。経験の浅い選手や初めて連携するなかで、試合の中でもそうした場面が出ていた。局面での強度もあげていかなくてはならない。ただチャレンジの部分で、安定だけを求めるならこれまでの選手を使えば安心と安定はある。勝利を目指す戦いでも未来を見据えて起用しながら、チーム全体の選手層を厚くし、選択肢を増やすことが絶対的に必要。未来を見据えたという点には悔いはありません。ウルグアイ戦もコロンビア戦もスムーズな攻撃のコンビネーションをあげていかなくてはならない。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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