スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年12月 6日 (火)

カタールW杯 日本代表ドーハで解散 「(代表監督は)プレッシャーはあるがストレスではない幸せな仕事。欧州で勉強したい」森保監督

ドーハ6日=日本時間6日午後 天候晴れ、気温29度、湿度55% W杯カタール大会決勝トーナメント1回戦でクロアチアと1対1からのPK戦(1-3)に敗れ8強を逃した日本代表は、チームの解散を前にドーハのキャンプ地で総括の会見をそれぞれが行った。今大会ではグループリーグでドイツ、スペインのW杯優勝国を初めて破り、首位でGLを突破。初めて2大会連続で決勝トーナメントに進出したが、4度目の挑戦だったベスト8にはまたも入れなかった。またクロアチアとも3度目の対戦だったが、90年(0-1)、06年(0-0)に続き勝てなかった。

 森保一監督は取材に応じ、クロアチア戦について「勝たせる、というのが監督の仕事。それができなかったのは自分に力が足りなかった。朝、目覚めた時、もっと何かができたことはなかったのか」と、すぐに考えたという。その中のひとつが、クロアチアに許した後半の失点のシーン。「高さで攻め立ててくるところ、それ(高いクロスからヘディング)をやられてしまった。ただし、たられば、ですが、相手のゴールの後も90分、延長と相手にゴールを許さず1-1で終えたのは(4年前のベルギー戦とは違う)成長だった」と話した。

 監督の日本代表監督としての4年の任期は終了する。日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「(森保氏も含めて)技術委員会が(どういう監督を選ぶのか)議論をする。私はその内容を受ける「プレッシャーはあったがストレスはなかった。(監督業は)クレイジージョブと言われるが、私の中では幸せな仕事だと思う」と五輪代表を含めて6年を振り返り、今後については、監督業はまだ続ける気持ちがあるとした。「少し間を空けて欧州に勉強に行くことも考えていた」と明かす。オファーがあった場合は「考えなければならない。日本サッカーに貢献したい気持ちはある」と話した。今後の協会との話し合いで、代表監督だけではなく、代表強化に関わるポストをオファーされる可能性はある。
 また長谷部誠の代表引退後、この4年、主将としてチームをけん引した吉田麻也は「悔しさと寂しさしかない。いいチームだったし、勝たせて、押し上げたかった」と、時に目を赤くして話した。チームはこの日ドーハ市内で解散。日本へ帰国する選手と、所属先の欧州へ戻るグループに分かれてカタールを離れる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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