スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年11月24日 (木)

日本代表W杯通算22試合目で初の逆転勝ちで、初めてW杯優勝国を撃破 後半3バックに’大変身’し堂安、浅野のゴールでドイツを2-1で下す

23日ドーハ・ハリファ国際スタジアム(気温26度、湿度50%、観衆4万2608人) サッカーのW杯カタール大会、E組で世界ランキング24位の日本はグループリーグ初戦で11位とドイツと対戦し、2-1の逆転勝ちで目標のベスト8に向かって大きく前進した。日本代表がW杯に出場した98年フランス大会以降、この日は通算22試合目(6勝5分け11敗)で、初の逆転勝ちという試合展開で優勝国(98年アルゼンチン、06年ブラジルに次いで3カ国目)からも初の勝利をあげた歴史的な一戦となった。日本は前半、PKで先制を許し、ドイツにボール支配率72%と圧倒され0-1で折り返した。しかし後半から冨安健洋を入れて3バックに転換。森保監督の4年間でも、後半の頭から3バックに転換した試合はなく、監督の決断で敷いたシステム、攻撃的交代カードを連続して切った怒涛の交代が試合の流れを大きく動かした。
 その後、途中出場の三笘薫が左サイドで、同じ交代の南野拓実へパスを出し、最後は堂安律が同点に。また、リセットから、ドイツDFのスキをついてDF板倉滉が、浅野拓磨へロングパスを送ると、浅野が右後ろからの難しいボールを正確なトラップで捉えて最後は右足で勝ち越しゴール。前回ロシア大会の経験者はピッチに吉田麻也と長友佑都、酒井宏樹、前回は出場機会のなかった遠藤航4人で、今大会19人ものW杯初出場選手を選出した監督の狙い通り、W杯初出場組の野心と思い切り、ベテランの守備から若手を動かす、といった信念が見事な結果を出した。ドイツから最高の勝ち点3を奪って、次戦のコスタリカ戦につなげた。E組のもう1試合、スペインは7-0でコスタリカを破った。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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