スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年11月 5日 (土)

J1最終節 横浜FMが3年ぶり5度目の優勝 川崎は数的不利も3-2で勝利 W杯4大会連続代表の長友「雄太の魂を僕の心に染めて頑張る」負傷で離脱のSB中山雄太を気遣う

5日=味スタ J1最終節が各地で行われ、条件付きで優勝決定をかけた試合に4度臨んだ横浜Fマリノスが、アウェー(ノエスタ)で神戸を3-1で破って3年ぶり5度目の優勝を果たした。前半26分、水沼宏太のクロスのこぼれ球に、エウベルがヘディングで押し込んで先制した。前半48分には、神戸・武藤嘉紀のヘディンで1ー1の同点にされて後半へ。後半立ち上がりの7分、FKを獲得しキッカーは水沼。直接シュートをGKに弾かれたが、またもこぼれ球に西村拓真が反応して2ー1と勝ち越した。さらに後半28分には、仲川輝人がダメ押しの3点目を奪った。
 マリノスは今季、クラブ創設30周年のメモリアルイヤー。5月後半からリーグ戦6連勝で勢いに乗ると、7月2日の清水エスパルス戦でJリーグ史上2クラブ目のJ1通算500勝も達成した。優勝ランプが灯った終盤戦は、下位のG大阪、ジュビロ磐田に今季初のリーグ戦2連敗を喫するなど、足踏みが続いていた。3連覇を狙った川崎フロンターレに、勝ち点差2まで詰められ優勝決定が最終戦にもつれ込んだ。
 川崎フロンターレはアウェー味スタでFC東京と対戦し、前半でGKが退場する大ピンチも凌いで3-2で勝ち、3連覇はならなかったが2位で今季を終えた。
 試合には、カタール大会で、フィールド選手としては日本人初のW杯4大会連続でメンバー入りを果たしたFC東京のDF長友佑都(36)も出場。後半21分までプレーし、試合後、「けがもなく・・・」というフレーズを何回も繰りかえすなど、安堵と緊張感を漂わせていた。ベテランはここから気持ちを少しずつ上げ、先ずはドイツ戦でピークを一度作るプランを描く。
 同じく左SBで代表ではポジション争いをしてきた中山雄太(25)は、試合でアキレス腱(けん)を負傷し、手術のため所属クラブ(ハダ―スフィールド)が先にW杯欠場を発表している。長友は「ショックなニュース。雄太の気持ちを考えると言葉が出ない。僕は雄太に育ててもらったと言っても過言ではない。彼の存在が大きくて。皆さんが(長友にとってガソリンになるという)批判をくれたのは、雄太の存在があったから。彼の存在がなかったらあそこまでの批判がなかった。僕も奮起できたし、お互いに色々言い合える素晴らしいライバル。彼の思い、魂を僕の心に染めて頑張りたい」と、心からの敬意を示していた。中山からも、「頑張ってきてください」とのメッセージが入ったという。
 日本の貴重なムードメーカーは、4年前、チームを明るくし、自分も気持ちを一新してW杯に臨む、と、金髪に染めて合流した。今回は?と聞かれ「僕も36歳になり、子どもも3人になりました。頭皮とも相談します」と答えて、あえてメディアを笑いに包み空気を変えてみせた。チームはまだ集まっていないが、4大会連続出場の存在感を思わせる。

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

カテゴリー

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」