サッカー天皇杯 J2甲府がJ1広島をPK戦で振り切って初優勝 J2の優勝は2011年FC東京以来 「甲府に関わって下さった全ての皆さん、おめでとうございます」吉田監督、声を震わせてコメント
16日=横浜日産スタジアム(観衆37998人)サッカーの第102回天皇杯決勝が行われ、クラブ史上初の優勝をかけてJ2の甲府とJ1広島が対戦した。前半先制した甲府が、延長、PK戦の激闘の末広島破り(1―1、PK戦5-4)J2勢の優勝としては2011年度のFC東京以来11大会ぶりの天皇杯制覇を果たした。これで来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権も獲得した。天皇杯で70回もの歴代最多出場を誇る広島は、前身の東洋工業時代の優勝以来となる53大会ぶりの天皇杯獲得を狙ったが届かず、Jリーグ発足後、これで6度目の準優勝となった。
甲府は前半26分、ショートコーナーからチャンスを生み、FW三平和司(みつひら・かずし)がニアで合わせて先制。前半を折り返した。甲府の運動量、縦のスピードや気迫に押された広島は後半に入って少しずつボールを拾い、39分、エゼキエウが左サイドから甲府DFの股を抜くスルーパスをエリア左に走り込んだ川村へ。川村は左足からゴールニア上にシュートを決めた。1-1で迎えた延長後半には、甲府のハンドから広島にPKが与えれる。大ピンチを、甲府のGK河田晃兵が右手を伸ばす攻守で好守で防いでPK戦へと持ち込んだ。PK戦では広島が1人失敗し、甲府は全員が成功した。
甲府の吉田達磨監督は試合後、「ヴァンフォーレ甲府に関わる全ての皆さま、様々な苦難を乗り越えて日本一になってシャーレ(天皇杯)を掲げたこと、本当におめでとうございました」と話し、J14クラブを次々と破っての優勝に充実感を噛みしめていた。「切り替える、自陣でしっかり守る、ファイトし続ける・・・本当に小さなことを選手が最後までやり続けてくれた結果。私自身も初タイトルで緊張はもちろんあったが、きょうを最高の日にしよう、と選手と話した」と、会見中も興奮したまま、最後まで感激に声がうわずっていた。
敗れた広島のミヒャエル・スキッペ監督は甲府の優勝を称え、「切り替えるしかない。ルヴァンカップで優勝したい」と、ショックを振り切って来週のルヴァン杯決勝(C大阪戦)に気持ちを向けていた。