スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年9月 9日 (金)

サッカー日本代表 カタールW杯直前の17日に、ドバイでカナダと親善試合「初戦のドイツ戦の前にコンセプトを合わせる」森保監督

 日本サッカー協会は8日、カタールW杯開幕(11月20日)直前の17日に、日本代表がUAE(アラブ首長国連邦)ドバイのアルマクトゥーム・スタジアムで、カナダ代表と国際親善試合を行うと発表した。試合は有観客で行われ、大会直前の最後の実践となる。
 森保一監督は「ワールドカップを前にカナダとの強化試合を組むことができ嬉しく思います。初戦となるドイツ戦の前にチームコンセプトのすり合わせ、コンディションの把握など様々な情報を得て、最後の強化につなげていきたいと思います」と、協会を通じて9日にコメントを発表した。 8日午後、オンラインで取材に応じた反町康治技術委員長は「(あえて)強豪国と試合をする。そうじゃない国と試合する選択もあるが、(W杯に)真剣に準備をしていると目の色も違う。課題も見えてくる」と、マッチメイクについて説明していた。
 カナダは、FIFA(国際サッカー連盟)ランキング43位だが(日本24位)北中米・カリブ海予選では、米国やメキシコといったW杯常連の強豪を退けて首位で通過し、36年ぶりのW杯復帰を果たし注目を浴びている。
 フランス1部リールですでに6試合で4得点を挙げた22歳ストライカー、デイビッドや、バイエルンのDFのA・デイビス(21)ら、若手の台頭が目覚ましいチームだ。
 チーム状況を把握するための「直前親善試合」では、16強に進出した2010年南アフリカ大会直前にもイングランド、コートジボワールと対戦し(2敗)。ここで守備の問題点を改善しようと、岡田武史当時監督が大会3日前に、アフリカのジンバブエとトレーニングマッチを行い、0-0ながら初めて「アンカー」を置くシフトを試し、この試合で得た自信がベスト16進出への大きな弾みとなった。
 18年ロシア大会直前にも、スイスと対戦し敗れたものの、敗戦後に西野朗当時監督は、攻撃的な試合展開を意識付けベスト16に進出し、8強をかけてベルギー戦に臨んだ。反町委員長は「初戦でドイツとやることを考えると、大差で勝つ相手とやっても成果を得られない。緊張感があるゲームをすることが森保監督、我々の意向」とし、日本代表は23日のドイツ戦に向けて、1週間で2試合、強度の高い試合に挑んで初の8強を実現するプランを立てた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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