スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年8月29日 (月)

サッカー日本代表W杯用新ユニホーム発表 コンセプトは「ORIGAMI」も久保建英は「実は折り紙は苦手」と苦笑。サッカー協会も代表監督も選手も不在の不思議な会見

 29日=esports銀座studio(東京・中央区) 11月のサッカーW杯カタール大会に向けて、日本代表ユニホームが約2年ぶりに一新、発表された。コンセプトは「折り紙」。2002年日韓W杯決勝後に約270万羽が横浜国際競技場で飛ばされたのにちなんで、歓喜をもたらす祈りを込めたものだという。従来の「ジャパンブルー」を基調に、番号は黄色。GKはグリーン。アウェーは初めてブラックのパンツが採用された。ユニホームには折り紙のグラフィックデザインが施されている。
 現地朝、オンライン中継で、移籍したレアル・ソシエダ(バスク州サン・セバスチャン)から参加した久保建英は「ぱっと見で、派手で斬新、覚えてもらいやすい」と好感触を口にし、「でも実は折り紙が苦手、日本の由緒ある文化として(世界に)知ってもらえれば」と話した。開幕から3試合で「勝ち点6は及第点かと思う。W杯へ出場する覚悟」とし、W杯に向けて最後の親善試合で、ユニホームのお披露目となるアメリカ戦(9月23日、デュッセルドルフ)に意欲を見せた。
 
 過去の6大会で(98年フランス大会はアシックス社)アディダス社のユニホームが提供されてきたが、W杯で着用するものがお披露目される際は、日本サッカー協会が必ず発表会見を主催、或いは共催し、JFAハウスやホテル
行うなど、W杯代表(候補)選手も様々な形で登場する「特別な」イベントでもあった。中でも2010年南ア大会前は、神宮外苑の絵画館前で予選を戦った選手全員が出席、大イベントが催されている。コロナ禍が理由ならば、会見場は椅子もびっしり並べられていた。欧州組が主体のスケジュールが問題なら国内には代表選手がいる。
 今回は、JFAからのリリースは出ておらず、日本代表監督、選手も絡まず、パートナーシップの集大成ともいえる両者の関係性や温度差なども織り込んでしまったかのような会見だった。「主役」不在の会見場には3体のマネキンが並んでいた。

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」