スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年7月19日 (火)

オレゴン世界陸上 女子マラソン たった1人でレースに臨んだ松田瑞生は世界陸上での日本人最速タイムで9位「1つでも1秒でも前に」

18日=米・オレゴン州ユージーン 天候晴れ、気温11度、湿度40% 世界陸上4日目は、午前6時15分に(日本時間18日22時15分)女子マラソンがスタートし、松田瑞生(ダイハツ)が2時間23分49秒の9位となった。日本女子選手が過去の世界選手権でマークした最速タイムとなった。
 17日に行われた男子は、気温、湿度も低い朝のレースで、メダリスト全員が大会新記録を更新するなど、これまで世界陸上で苦戦した夏マラソンとは様子が異なるハイペースな展開に。女子は明らかにこのレースを手本とし、序盤からスピードレースとなった。松田は2㌔地点で加速する集団からこぼれ、その後もゴールまでほぼ独走でレースに挑んだ。10㌔を33分30秒(16位)、20kmは1時間7分07秒と独走ながら安定したペースを刻み、後半、先頭集団を走っていた選手たちが途中棄権、またペースダウンしたため、順位を上げて35㌔を10位で通過。36㌔過ぎにジェス・ピアスキー(英国)を抜いて9位に浮上し、8位のケイラ・ダマート(米国)に2秒差まで迫ったが、ダマートのスパートには対応できず、入賞まで15秒差の9位だった。  
松田はレース後、緊張の糸が切れたのか号泣し「前だけ見ていた。1つでも前に、1秒でも前に、と思ってずっと走っていた。今の自分の精いっぱいの力だった」と、涙を腕でぬぐい答えていた。(コロナウイルス感染症で一山、新谷が相次いで欠場したことについて)「出られなかった選手の悔しさっていうのは、(東京五輪に出場できず補欠だった)私が一番わかっていると思う。全ての選手の気持ちを背負って走った」と、特に2人と連絡は取っていなかったものの、トレーニングを積んで欠場となった2人気持ちを慮っていた。
 優勝は、25㌔手前からエチオピアのゲブレシラシエとケニアのコリルが、26キロから27キロで3分1秒と男子並みの凄まじいタイムで並走するデッドヒートを展開。最後はゲブレシラシエがコリルを振り切って2時間18分11秒の大会新記録で、男子とアベック優勝。コリルも大会記録を更新する2時間18分20秒の自己記録で2位となった。3位には、ペースを守って後半に追い上げたケニア出身のサルピーター(イスラエル)が2時間20分18秒で食い込んだ。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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