スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年7月26日 (火)

オレゴン世界陸上から日本選手帰国 メダルに0秒79差の1600㍍リレー トラック最古の日本記録更新で「個々の走力あげてリベンジする」

26日=成田空港 オレゴン世界陸上(米オレゴン州ユージーン)で、最終日に行われた男子1600メートルリレー(マイルリレー)4位で2分59秒51の日本新記録(アジア新記録)をマークして4位入賞を果たした1走・佐藤風雅(那須環境)、2走・川端魁人(中京大ク)、3走・ウォルシュ・ジュリアン(富士通)、アンカー・中島佑気ジョセフ(東洋大)が帰国し、到着ロビーで4人揃って会見を行った。また女子100㍍障害で、日本記録12秒82をマークした(準決勝敗退)福部真子(日本建設工業)、競歩新種目の35㌔で、金メダルと1秒差で銀メダルを獲得した川野将虎(旭化成)も帰国し会見を行った。福部は12秒12の世界新記録レース(ナイジェリアのアムサン)に同走する貴重な経験に「無我夢中のレースだった」と振り返った。
 川野は昨年の東京五輪ではレース中に「過緊張から嘔吐」し6位に。また今年3月の世界競歩チーム選手権ではメダルレースをしながら、残り1kmで4位に落ちた。「心の成長が結果につながった」と、手応えを口にした。

 
  「フラットレースで全員が日本記録更新を」96年の日本記録更新の次は、91年の最古の日本記録更新を全員で狙う

 3走でトップ集団に食い込んだエースのウォルシュは「メダルが見えてきたなと実感した。また力をつけて、1から作り直して挑みたい」と、来年の世界陸上(ハンガリー・ブタペスト)、24年パリ五輪でのメダル獲得を見据えた。
 日本勢としては19年ぶりとなった決勝は、世界大会での過去最高成績となる4位(アテネ五輪)と、狙ったメダルにあと0秒79(3位のベルギーは2分58秒72)に迫った。アンカーの中島は「すぐ目の前にメダルがあった。来年に向けてまた作り直したい」と、悔しさのなかに満足感を漂わせる。各選手とも、「フラットレース(400㍍単独レースで)一人ひとりが記録をあげなければ」と、400㍍での走力アップを課題にあげる。
 今回樹立されたマイルリレーの前・日本記録は、1996年アトランタ五輪でマークされたもので(昨年東京五輪ではタイ記録がマークされた)、更新するのに実に27年を要した。さらにトラック種目で最も古い日本記録が、1991年日本選手権で高野進がマークした44秒78。佐藤は、「全員が高野さんの記録を超えていくようでなければ世界と戦えない」と、91年から31年止まったままの時計を動かそうと、
明確な目標を掲げた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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