スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年6月12日 (日)

陸上の世界選手権代表のサニブラウン・ハキーム 最高峰の「ダイヤモンドリーグ」出場にオスロへ出発。「(100㍍)は不完全燃焼が続いていた。そろそろちゃんと何事もなく走りたい」

12日=羽田空港 陸上の世界選手権(7月、オレゴン州)代表選考会を兼ねた日本選手権(10日、大阪・長居)男子100メートルで、10秒08をマークし3年ぶり3度目の優勝を果たして代表に内定したサニブラウン・ハキーム(23=タンブルウィードTC)が、ノルウェー・オスロで行われるダイヤモンドリーグ第6戦(16日)に向けて出発した。昨年はヘルニアを原因とする腰痛、神経痛で東京五輪でも全くいい走りをできないまま終えてしまっただけに、「(日本選手権では)3本(予選~決勝)をしっかり走れたのが一番の収穫だった。ここのところ100㍍は不完全燃焼が続いているので、そろそろ何事もなく走り切りたい」と、初出場となるダイヤモンドリーグ(今回はダイヤモンドレースに出場)に笑顔で意欲を示した。同リーグは、ポイントを競うWA(ワールドアスレティックス)主催の最高峰となるシリーズ戦。昨年は中止となったが、今季は5月のドーハからすでに始まっており9月のチューリッヒまで全14戦が行われる。サニブラウン自身、2017年に同リーグの100㍍に出場しているが、これは「プレレース」というカテゴリー(10秒22で5位)で、上位の「ダイヤモンドレース」出場は今回が初めてとなる。
 オレゴン世界選手権に内定しており、過去の世界陸上での走り方を比較しながら、「15年(北京)はがむしゃらで、17年(ロンドン)はスムーズ(な走り)に、19年(ドーハ)はまたがむしゃらで重心が低くなって・・・今はまた17年のスタイルに戻っている」と、17年の日本選手権100,200の2冠、ロンドン世界陸上で、史上最年少の18歳5カ月で決勝進出を果たした(200㍍)2017年に試行した、体重移動のスムーズな走りに手応えを得ているようだ。オスロの後には、拠点のフロリダに戻って、残り1か月となる世界陸上に向けて調整する。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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