スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年3月25日 (金)

森保監督一夜明けた25日早朝取材に対応「できるだけ強い国と(親善)試合をし、W杯で優勝できるグループに入る」4年越しの目標W杯8強以上を改めて強調

25日=シドニー午前7時(日本時間午前5時) 24日に行われたオーストラリア戦に三苫薫の電光石火の2ゴールで2-0と勝利し、W杯カタール大会の出場権を獲得した日本代表・森保一監督が一睡もしないまま、一夜明けての取材に対応し「苦しい予選で追い込まれ、自分は選手やスタッフに’伝える’という部分で突き詰めることができた。選手の要求も高まって、準備のクオリティがあがったと思う」と、短期間での調整が求めらるなか、初戦のオマーン戦でつまずく逆境を跳ね返すレジリエンス(困難に適応していく力)を手応えにあげて予選を振り返った。
 日本代表がアウェーで出場を決めたのは、10年の南ア大会アジア最終予選(ウズベキスタン戦、岡崎慎司のゴール)以来。また1998年のフランスW杯での
初出場からの7大会連続出場は、前回のロシア大会でイングランドの6回に並んでおり、これでブラジルの22回に次ぐ2位となる。
 4月1日(日本時間2日)にはカタールで抽選会が行われる。前回ロシア大会では、初のベスト8に手をかけながらベルギーに振り切られた試合で西野朗監督のもとコーチを務めており、監督就任以来4年間、ベスト16の壁突破をチームの目標に掲げて来た。「ベスト8以上なら、W杯で優勝できるグループに入れる」と、目標を改めて強調。11月までの準備期間に設定される、6月と9月のIMD(インターナショナルマッチデー)で組める試合(6月は2週間の長期間)について「できるだけ強いチームとの対戦をしたい。準備期間は実質半年」と、すでにW杯出場が決まっている強豪の中からの選択を要望している。コロナ禍で難しかった海外遠征も実現しそうだ。抽選で同じグループに入らなければ、FIFAランキング一桁の強豪との対戦も検討されている。
 監督は、記者とも円陣を作り謝意を伝えた。アジア最終予選の初戦、ホームでオマーン戦に敗れた後に、「(自分の去就を)同情で判断すると取り返しがつかないことになる。もしダメならば早く代えて(監督解任)もらったほうが日本サッカーのため」と、これまでも話して来た覚悟について、言葉を変え、安堵した様子で口にした。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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