スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年3月 4日 (金)

6日スタート東京マラソン 男女世界記録保持者に、日本の男女トップランナー挑む 「目標タイムは、STRONG」五輪金メダリストで世界記録保持者のキプチョゲ 

4日=都内ホテル 昨年延期となった「東京マラソン2021」(東京マラソン2022大会は中止となる)が6日行われるのを前に、エリート部門に出場する招待選手が会見に臨んだ。今大会は、男子には東京五輪の金メダリスト、エリウド・キプチョゲ(37=ケニア、2時間1分39秒)、女子は同銀メダリストのブリジッド・コスゲイ(28=ケニア、2時間14分4秒)と男女の世界記録保持者が揃うハイレベルなエリートクラスで、日本からも男子の日本記録保持者、鈴木健吾(26=富士通、2時間4分56)、女子も東京五輪で8位に入賞し20分突破を狙う一山麻緒(24=ワコール、2時間20分29秒)が、05年野口みずきの2時間19分12秒の日本記録更新に挑む。ともに世界との差を実体験できるチャンスに、どこまで積極的な走りができるか注目される。
 キプチョゲは、目標タイムを聞かれると「STRONG」とだけ記し、優勝を目標に、終盤の向かい風を受ける田町付近の直線区間を短縮したより記録が出やすくなったコースに挑む。発着点の高低差は32mとフラットな高速コース。一山は、「2時間20分を切りたい」と、五輪後初レースに意欲を見せ、昨年結婚した鈴木も、日本記録を出した昨年びわ湖と同じに調整できたと自信をのぞかせた。また、東京五輪の10000万m21位から、09年以来のマラソンに出場する新谷仁美(34=積水化学)は、東京マラソン第1回の優勝者。15年ぶりの出場となるが「この3か月間マラソン練習をしてきましたが、マラソンの魅力が全然わからない期間でした。見つけるつもりもなく、ただ必死に走りたい。気持ちでも技術でもマラソンより過酷な種目はない」と独特な言い回しで、東京以来のレースへの思いを示した。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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