スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年3月23日 (水)

勝てば7大会連続出場が決まるオーストラリア戦を前に現地で会見と練習 「出場は相手が与えてくれるものではなく、掴み取ること」ドーハの悲劇を知る森保監督 アウェーの決定は2009年の最終予選以来

23日シドニー午後5時半(日本時間同日午後3時半) W杯2022カタール大会のアジア最終予選第9戦で、B組2位の日本は、同3位のオーストラリアと対戦する(キックオフ24日午後8時10分=日本時間同6時10分)。勝てば、1998年初出場を果たしたフランス大会以来、7大会連続のW杯出場を果たす。もしアウェーで出場を決めると、2010年の南ア大会出場を果たした09年、アウェーのウズベキスタン戦以来となる。
 23日は、シドニーの試合会場、スタジアム オーストラリアで公式練習。冒頭15分のみ公開で、先発が予想される南野拓実(リバプール)らが合流し、試合前日に26選手全員が揃った。オンラインで公式会見した森保監督に、現役時代の1993年、目前に夢だったW杯出場がありながら掴めなかった「ドーハの悲劇」を味わい、それを今度は監督として、この大一番でどう選手たちに伝えるか、と聞くと、「自分の経験を伝えるような形で話はしてない」とし、「選手にひとつ言えることがあるとすれば、W杯出場は相手が与えてくれるものではなく、自分たちがつかみ取ること。積極的にトライして欲しい」と、力強い言葉で話した。
 日本は現在、B組でオーストラリアに勝ち点3差をつけての2位で、引き分けでも勝ち点のまま、最終戦のベトナム戦をホームで迎えるため「引き分け狙いの戦い方は考えるか」と聞かれると「試合終盤にそういう状況が訪れた時には考えたいが、W杯出場に向けて自分たちの手で勝利を勝ち取る、それを明日の試合で表現したい」と、大きなチャンスを目前に勝利への執着心を示した。
 FW大迫勇也(神戸)がけがで不参加となり、「激しく来る相手を上回って得点を奪える選手。そしてインテンシティー(プレーの強さや激しさ)が高い試合になるだろうなかで、攻撃に特徴を出し、仲間のため、チームのため、日本サッカーのために走れる選手を起用したい」と、大迫不在をカバーしてあまりあるアタッカーの条件をあげた。ここまで勝ち点18の日本は国際サッカー連盟(FIFA)ランキング23位。同15点のオーストラリアは37位。通算成績は日本の10勝9分け7敗となる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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