スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年1月25日 (火)

二刀流やり遂げた平野歩夢「五輪で自分にしかない表現を。彼(ホワイト)とやり合えるのが楽しみ」NO1とオンリーワンへビッグチャレンジ 

25日=オンライン 2月4日に開幕する北京五輪スノーボード男子ハーフパイプ日本代表の平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)、海祝(かいしゅう、19=日大)兄弟らハーフパイプ代表が、滞在先のアメリカからオンライン会見を行い10日後に迫る五輪への強い思いを改めて口にした。3大会連続出場となる歩夢は、今季W杯では2勝、21日に行われたXゲームでも、W杯で先に世界で初めて成功させた「トリプルコーク1440」(斜め軸に縦3回転横4回転)を決めて2位に入るなどコンディションは良い。「(五輪までに)ケガをしない体を作ったり、あと何日か、アメリカで整えて迎えたい。五輪という場で、自分が満足できる滑り、自分にしかない表現を見せられたら」と、自分にしかできない「オンリーワン」の表現に挑む自信と充実感を伺わせた。会見の冒頭、代表取材者が名前と媒体を名乗ると、平野は「はい、平野歩夢です」と丁寧に答えるなど、落ち着いた様子だった。
 14年のソチ、18年平昌はともに銀メダル。特に平昌では、王者、ショーン・ホワイトとのドラマチックな金メダル争いを繰り広げた。この日のオンラインで「五輪というのはどういう舞台か」と聞かれると、「五輪は限られた人達しか出られない、スノーボードという枠とはまた別の種類なのかと思っている。その中で4年に一度という特別な期間だったり、その中で選ばれた人達だけの真剣勝負。スノーボードにとっても影響力の大きな舞台なので、そういうところが普段自分が出ている大会とは違う場になるのかなと思う。彼(ショーン・ホワイトは北京で引退を示唆)も最後のオリンピック。そういう場でまた彼とやり合えるのを楽しみにしている」と、五輪という舞台、金メダルを争う相手との対戦を具体的にイメージする。
 わずか半年前には、スケートボードで東京五輪に出場(14位)して前人未踏の挑戦で二刀流をやり遂げ、困難と思われた唯一無二「オンリーワン」の道を切り開いた。
 「前回の時とは(夏の経験で)考え方もガラッと変わっている。失うものはない、という気持ちでやれる」と言う。
 弟との出場には「2人で出られる五輪を、きょうだいとしてずっと待ち望んでいた。力を出し切って欲しい」と、自分の話の際とは一転し、優しい笑顔だった。

 海祝は、オンライン会見で多くの記者やテレビ局が入っていても、どんな時も歩夢を常に「にいちゃん」と、屈託なく、子どものときから呼ぶように言う。2人で出場が決まってから、どんな準備をし、どういう技を取得すべきかなど伝授された。二刀流をやり遂げた兄について聞かれると、「にいちゃんの滑りはなかなか説明するのは難しい。小さい頃から一緒にやってきて、五輪でスケボーやって迫力感じる。迫力もありつつ、高難度の技の完成度も高い。自分も近くで見ていて凄いな、と思う」と、リスペクトを最大限に示す。五輪では、スノボを知らない人が見ても感動するほど「高いエアを見せたい」と意気込んだ。

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」