スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年12月 4日 (土)

J1最終節 清水がC大阪に2-1、自力でJ1残留決定 「幻の192点目」に大久保「記録する人が空気読めばよかったですけどね」とユーモア交えて振り返る

4日=IAIスタジアム日本平(観衆9668人) 気温13度に北風が舞うなか、清水がJ1最終戦で勝ってJ1残留を叶えるためホームにC大阪を迎えた。平岡宏章監督就任後、2勝1分けと勝ち点を積み、この試合の勝利で、今季3連勝の尻上がりで残留を決めたい清水は、前半35分、今季限りで引退をするC大阪のFWでJ1最多の191得点をあげた大久保嘉人のシュートから失点(記録はオウンゴール)する。しかし苦しい前半に耐え、アディショナルタイムにMF・西澤健太のアシストからDFの鈴木義宜がゴール、1対1で後半に入った。
開始早々の6分には、再び西澤が右サイドで拾った相手のクリアボールを鮮やかなミドルシュートで2点目に。このまま2-1で勝利し、最終節にかかっていた残留を自力勝利で決めた。
西澤は試合後、「前が空いたので思い切ってシュートを打った。本当に良いところに飛んでくれたが、皆さんの思いがシュートに乗ったから(入った)だと思う」と、サポーターと一体で勝ち取った勝利、残留に笑顔を見せた。
また、20年になるプロ生活でこの日がJリーグ最終戦となった大久保嘉人は、35分にCKから、MF清武のクロスをファーサイドで待って、これに滑り込む形でシュート。セレッソサポーターの目前でゴールが決まり、ドラマチックなシーンに大久保、チームメート、サポーター、一体となって喜んだが、公式記録で相手DFに当たってのオウンゴールに。試合後大久保は、「記録する人が(192点目と)空気読めばよかったんですけどね。最後だから。でも、自分が決めた時と同じぐらい、サポーターの真ん前で決めて喜べたし、いい感じで締めくくれた」と、充実感を漂わせた。
C大阪はシーズン終了も、12日には天皇杯準決勝を残しており、交代してJリーグに別れを告げたシーンについて聞かれると、「これでリーグ戦終わりだなというのはありましたけど、まだ天皇杯ある。まだ次だ、という思いで下がった」と、センチメンタルな様子は一切見せず、タイトルへの強い思いを口にした。


朝日新聞「論座」逆算のストライカー、大久保嘉人の191ゴール



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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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