サッカー日本代表 1月の親善試合ウズベキスタン戦メンバー22人発表 C大阪の若きCB瀬古と西尾、札幌の小柏、ベストヤング賞荒木に期待
7日=オンライン サッカー日本代表(FIFAランキング26位)が来年1月21日、埼玉スタジアムで行われる国際親善試合、ウズベキスタン(FIFAランキング84位)戦のメンバー22人が発表された。1月21日は、FIFA(国際サッカー連盟)が定めるIMD(国際インターナショナルマッチデー)ではないために、国内でプレーする選手のみの編成となる。C大阪の若手の伸びを象徴する若きセンターバック、瀬古歩夢(21)西尾隆矢(20)、大宮ユースから明大に進学し、ルーキーイヤーとなった今年、7得点をあげた小柏剛(こがしわ・つよし、23=札幌)、今季、10代では1994年の城彰二以来史上2人目となる2けた得点をあげ、Jリーグアウォーズ「ベストヤングプレーヤー賞」に選出された荒木遼太郎(19=鹿島)と、Jリーグの存在感を強くアピールする4人が初選出された。
1月16日に千葉市内に集合し、カタールW杯イヤーに向かって始動をする。ウズベキスタン戦は、アジア最終予選B組の中国戦(来年1月27日)とサウジアラビア戦(同2月1日)への強化試合で、試合後に、W杯最終予選へのメンバーが(中国戦、オーストラリア戦)改めて発表される予定。
国内組は4日にリーグ最終節を迎え、浦和とC大阪、川崎と大分の天皇杯準決勝、19日の決勝でサッカーシーズンは終了。この日、1カ月以上前に代表を発表したのは、オフ期間にも、「コンディションを強く意識し、最終予選への準備をして欲しい」という、森保一監督(53)の狙いから。森保監督は初招集の選手について「代表活動に慣れてほしい。今後の成長につなげてもらいたい。試合に出られるパフォーマンスを見せてもらえれば起用する。自分自身で(代表の座を)つかみとってもらえる」と、初招集の若手に期待した。
「経験なんて吹っ飛ばせ」
6日のアウォーズでベストイレブンに選出された山根が、壇上のインタビューで答えたコメントが印象的だった。これまで世代別の代表経験もなかった山根は、今年、キャリアで初の代表、それもA代表に27歳の遅咲きで選出された。3月25日の国際親善試合・韓国戦でA代表デビュー戦で初ゴールを奪って、W杯アジア最終予選を経験した。W杯について聞かれた際、「夢の舞台だったものが、自分次第で手に入るというところまで来れている。そこを意識して、これからの時間を大切に使っていきたい」と言った。「自分次第で手に入る」ーサッカーの日本代表も、そういう場所だ。
「経験」はあったほうが安心だろう。勝敗を決める要因になる場合もある。一方で日本代表とは、経験値が重要な場所ではなく、経験があるといいプレーができるわけでも、経験がないからといって活躍できない場所ではない。97年、加茂周監督に選ばれたばかりの中田英寿は先発で起用され、あたかも以前から「そこ」にいたようにMFとして躍動し、最終予選に挑むチームをけん引した。
今季限りの引退を決めたFW・大久保嘉人は、初出場から10試合以上ゴールができないという不名誉な「記録」を樹立した。ジーコ監督がそれでも大久保を諦めなかったのは、大久保の凄まじい野心に賭けると決めたからだ。結果はJ1リーグ歴代最多191ゴールの源だ。2人に経験がない、とか、すでに代表にいたメンバーが「経験を伝える」などと強調していた覚えがあまりない。自分が経験を信じていないから、見えなかっただけかもしれないが・・・
今の日本代表は「経験を伝える」、「経験がある選手」と言った経験ワードが盛んに使われる。コロナという難しい状況も影響しただろう。しかしW杯イヤーの来年早々、若き4人には、27歳で初選出され初出場でゴールを奪った山根には、山根が言った経験の伝承などではなく、「今の自分の手で掴む」その場でのプレーを存分に楽しんで野心をむき出しにしてほしい。経験なんて吹っ飛ばせ、あれんばかりの野心で。