スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年12月19日 (日)

天皇杯 浦和が大分をアディショナルタイムで突き放し2-1で3大会ぶり優勝 ACL出場権獲得「奇跡が起きた」リカルド監督

19日=国立競技場(観衆57785人) 101回目の天皇杯(全日本サッカー選手権)決勝が行われ、浦和が大分を2-1で下して3大会ぶり8度目の優勝(前身の三菱重工時代からで優勝記録最多タイ)を飾るとともに、リーグ戦では6位に終わり出場権を得られなかったAFCのチャンピオンズリーグの出場権も手にした。浦和は前半6分、右サイドをドリブルで突破した関根貴大(26)が粘ってエリア内に、マイナスから中央へ出したパスに、FW江坂任(29)が中央付近から右足ダイレクトでシュート。試合の序盤で先制した。
16年から指揮を執り3年でJ1に昇格させた片野坂知宏監督のもと、 大分は監督の最後の試合に前半から球際でも浦和に迫った。守備では序盤の1点のみに抑えて後半での反撃を狙った。
浦和は後半、この試合で退団する宇賀神友弥、槙野智章らが交代で入り、最後まで運動量を落とさないハードワークを徹底。終了間際に、準決勝でJリーグ覇者・川崎を延長、PK戦で下す粘りを見せた大分が、ペレイラのゴールで同点に追いつく。しかし5分とアディショナルタイムが表示された3分、浦和の槙野がシュートコースにヘディングで入ってこれがゴールに。ラスト数分で、両チームの今季を集大成する集中力、底力、気持ちがぶつかり合う好ゲームを浦和が勝ち切った。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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