スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年10月11日 (月)

サッカー日本代表オーストラリア戦を前に前日練習「我々次第でまだ巻き返せる」森保監督 システムかメンバーか、両方か勝負手が必要に

11日=埼玉スタジアム  W杯アジア最終予選第4戦となるオーストラリア戦を前に、日本代表は前日の公式練習を行い(冒頭30分ほどのみ公開)、森保一監督は記者会見に臨んだ。3戦で2敗の戦績への批判を「もちろん承知している」とし、「(最終予選は)全ての試合において厳しい試合の連続。まだまだ我々次第で巻き返せるチャンスはある。あすは勝利を目指して、ベストなメンバーを選んでいく」と、オンラインの会見で記者に答えた。12日のオーストラリア戦は、0-1で敗れたサウジアラビア戦(ジッダ)から中3日(現地時間7日)、チャーター便で優遇されて帰国はしたがフライトの疲労、気候も時差も、0-1の敗戦からのメンタルも、立て直さなければならない。
 カタール(中立国)でオマーンに勝利したオーストラリアを迎える「変則ホーム戦」となるため、疲労の回復、各選手がバラバラだったコンディションとメンタルの余裕は試合を左右するカギとなる。この日は吉田麻也主将らのオンライン会見も午前中に行われ、「限られらた時間の中で、限られた修正をかけてオーストラリア戦に挑まないといけない」(吉田)と、各選手とも懸命に「72時間の立て直し」にかける。
 森保監督には「勝負手」が求められる。勝負のセオリーでは「うまく行っている時は変えない、うまく行かない時こそ何か勝負手が必要」とされる。オーストラリア戦で、森保監督は選手を代えるか、システムを変更するか、そのどちらもするか。もしくは固定してきた「4-2-3-1」を続けるか、勝利には監督の決断が大前提となる。
 サウジアラビア戦でボランチとしての柴崎岳を信じて起用したが、結果的に、ほころびが生まれてしまった。オーストラリア戦ではその柴崎を外し、中盤を組み替え、それに伴い前線をワントップから変更するか。監督も「思い切った策」という針路に舵を切る時だろう。「力は十分にある」と信頼寄せる選手たちの実力を本当に発揮させるためにも、「自分たち次第でまだ反撃のチャンスはある」と、W杯出場に望みをつないでいくためにも変化が必要だ。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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