スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年10月24日 (日)

世界体操女子ゆかでは、大会前に引退を示唆した村上が、「逆転」で金メダルを獲得 「私はきょうで引退します」閉会式後場内に引退表明挨拶

女子ゆか運動では、東京五輪同種目で銅メダルを獲得した村上茉愛(まい、25=日体大クラブ)が、14.066点(Eスコア8・266点、Dスコア5.800点)で金メダルを獲得した。村上がこの種目で2017年モントリオール世界体操でも金メダルを獲得している。五輪後はなかなか疲労が抜けない状態で、気持ちも上がって来なかったという。大会前には左足首を痛めるなど決して万全の状態ではなかったが、銅メダルを獲得した東京五輪では味わえなかった有観客のアリーナで、「シリバス」をスタートに技を決めるたびに大きくなるファンの拍手をパワーに変えた。
 この日は先に演技を終えたメル二コワ(RGF)が14.00点で首位に。村上の得点は13.966点(Eスコア8.266、Dスコア5.700点)で2位だった。しかし、日本からインクワイアリー(採点への問い合わせ)が行われ、Dスコアが0.1上がって5.8点に。合計14・066とメル二コワを上回りドラマチックな金メダルとなった。村上は大会前に、今大会をひとつの区切りにしたいと引退を示唆。閉会式後、村上は場内へのあいさつで「きょうで引退します」とファンに向かって自ら現役引退を表明した。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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