スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年8月26日 (木)

サッカー日本代表 9月2日からいよいよ22年W杯アジア最終予選メンバー24人発表 2試合で「100%の力を」森保監督勝ち点6のスタートダッシュを狙う

26日=オンライン 9月2日にスタートする22W杯カタール大会アジア最終予選の日本代表のメンバー24人が発表された。会見には、森保一監督と、反町康治技術委員長(今遠征の団長)が出席。4強だった東京五輪(U-24)日本代表からは、オーバーエージ3人を含めて9人、五輪世代に限ると、GK谷晃生(湘南)、DF冨安健洋(ボローニャ)、中山雄太(ズウォレ)、MF久保建英(マジョルカ)、堂安律(PSV)、板倉滉(シャルケ)の6人がA代表入りをした。初の代表入りは谷一人で、ボランチには、ロシアW杯代表のMF柴崎岳(29=レガネス)が復帰した。18年の森保監督就任以来掲げてきた代表と五輪が一体となって強化をはかる「1チーム2カテゴリー」は、ここから改めて「1チーム」として、層の厚さや多彩な戦術といった真価が問われる。
 2日は、ホーム、市立吹田サッカースタジアムでのオマーン戦で、7日には、「中立地帯」として中国のホームではなくカタールでの開催に移動する。この間、時差を伴うフライト、気温が直近で40度に上昇したとされるカタールでの暑熱対策と、五輪の中2日とはまた違った厳しいスケジュールを切り抜け、勝ち点を積み上げられるか。森保監督は、「招集から与えられた時間は少ない。その中で100%の力を発揮したい」と、2戦勝利の勝ち点6でスタートダッシュをかける意気込みを口にした。
  対戦するオマーンは、2日の試合に向けて欧州で1か月以上の合宿を敢行し、万全の状態で来日を見込む。また中国についてもすでにカタールでの合宿を始めており、なかば「ホーム」状態でトレーニングを行っている。「これまでの戦いを見た時に個々の特徴をしっかりと持っている、かつ組織的に戦える2チーム。どちらも(日本よりも)準備期間がある中でさらに戦術の上積みがある」と、監督も取りこぼしへ警戒心を高めた。
 最終予選はA、B組各6チームの2位までがW杯出場権を獲得し、3位同士の勝者が大陸間プレーオフに回る。W杯はカタール大会の次、26年からは32から48か国へと出場国が増えるため、現行の最終予選のレギュレーションは最後になるとみられる。今シリーズは、テレビ朝日がホーム戦の地上波中継を行うものの、アウェー戦の中継はなく(DAZNで視聴可能)、観戦も様変わりする。また新型コロナウイルス感染予防に、取材もAFC(アジアサッカー連盟)がオンラインと限定するなど、取材陣も現地には入るのが難しい。代表チームとの距離が遠くなり、良くも悪くも露出が減っていく傾向にあって代表の針路も問われる「最終予選」となる。

日本代表メンバー
◆GK 川島永嗣(ストラスブール)権田修一(清水)谷晃生(湘南)
◆DF 長友佑都(現在所属なし)吉田麻也(サンプドリア)佐々木翔(広島)酒井宏樹(浦和)山根視来(川崎)室屋成(ハノーバー)
植田直通(ニーム)中山雄太(ズウォレ)冨安健洋(ボローニャ)
◆MF 原口元気(ハノーバー)柴崎岳(レガネス)遠藤航(シュツットガルト)伊東純也(ゲンク)南野拓実(リバプール)
守田英正(サンタクララ)鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)板倉滉(シャルケ)堂安律(PSVアイントホーフェン)
久保建英(マジョルカ)
◆FW 大迫勇也(神戸)古橋亨梧(セルティック)

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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