スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年8月 2日 (月)

森保監督 スペイン戦を前に公式会見「選手の修正力、対応力は大きく成長。目標にとらわれずベストを発揮して欲しい」

 8月2日=埼玉スタジアム  メダルをかけた3日のスペイン戦(埼玉スタジアム)を前に、森保一監督と中山雄太が公式会見に臨んだ。日本はニュージーランドとの準々決勝を延長、PK戦と苦しい中で制し、2012年のロンドン五輪以来となる4強進出を果たした。勝てば、1968年メキシコ五輪(銅メダル)以来のメダル獲得が決まる。12年は、メダルをかけた準決勝のメキシコ戦、3位決定の韓国戦とも敗れており、その試合を経験している吉田麻也、また遠藤航、酒井宏樹といったオーバーエージの経験値や、スペインでプレーする久保建英の視野が試合の入りに重要になってくる。
 森保監督は、「決勝に進めば歴史を変えることにつながるが結果は後付け(後から付いてくるもの)。目標にとらわれず自分たちのベストを思いきり発揮して欲しい」と、まずは目前の試合に集中するとした。
 大会前「選手とは成長しながら勝利しようと共有した」とし、「理想を持ちながらも、目の前に現実に対応する。試合のなかでの修正力、対応力は本当に成長している」と、手応えを示した。スペインとは五輪前、最後のテストマッチを(1-1)を行っており、後半になるとペースをあげたスペインにボールを長く持たれた。ポゼッションが試合を決定するわけではないが、持たれながらも我慢し、粘った守備から奪うボールをゴールにつなげる「現実」を戦略の重要なカギとする。
 中山は「金メダルは一つ一つのものに全力で取り組んだ結果に結びついてくるもの。まずはスペイン戦に全力を注いで、勝ちをもぎ取ることに全身全霊を懸けたい」と話した。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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