サッカーU24スペインに延長の末1-0で敗退 メキシコ五輪以来3度目の挑戦で決勝進出ならず 我慢、忍耐疲れの時間帯に失点
相馬勇紀は試合後、ユニホーム、スパイクを履いたまま会見に登壇した。スペインとのクオリティの違い、差について何か感じたか、と聞かれると、「(質問を受けて)試合を思い出そうとしているけれど、色々なシーンが思い出せない」と話し、声を震わせた。しかし、「ワンシーンだけは鮮明に覚えている」と気丈に答えた。わずかワンシーン、ワンプレーこそが、日本が夢見た「新たな歴史」の扉をふさぎ、120分積み重ねようとしていたゲームプランも、大会への準備も目標も全てを打ち砕いた。
レアル・マドリードのマルコ・アセンシオは後半39分、交代でピッチに加わった。そして延長後半10分、日本は左サイドを攻め込まれ、アセンシオにボールが入ると、得意とする左脚から巻いてカーブをかける鋭いシュート。好セーブを連続していた谷の右を抜いて、決勝ゴールに。オーバーエージに存在感を見せつけられる仕事をさせてしまった。
森保監督は、7月、スペインとの親善試合で相手にほとんどボールを保持された展開について、2日の公式会見でも、「粘り強く、我慢強く守備をし、守備から攻撃へ。ボールを保持できないからといって、自分たちのサッカーをしなくていいということではない」と、ポゼッションで優位に立たれても我慢強く守備をし、そこから少ないチャンスを狙うとした。試合は予想通り、前半20分まででスペインが70%ボールを握っている形となった。忍耐も我慢も粘りもプラン通り進めた。しかし、忍耐疲れしてしまった時間帯、スペインに襲いかかられた。もし差があったとすれば、我慢のその先、忍耐の次だった。
これで68年、2012年のロンドン、に続き3度目の準決勝敗退となる。歴史を塗り替えるのはこれほど難しいのだろうか。監督は最後に「オリンピアンであるか、メダリストかは大きな違いがある」と前を向いた。6日、埼玉の試合で、「粘り」の本当の意味が試される。