スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年7月28日 (水)

新競技サーフィンの銀メダリスト・五十嵐「一生忘れない」 女子銅メダル都築「夢の続きを見ているようで」一夜明け会見で

28日=JOC会見(都内) 東京大会からの新種目、サーフィンで銀メダル獲得した五十嵐カノアと、女子銅メダリストの都築有夢路(あむろ)が揃って、一夜明けてのメダリスト会見に臨んだ。五十嵐は、「今回の五輪は、一生忘れないイベントだった。サーフィンを世界に見てもらうチャンスをくれてありがたいし、今回は凄くいい経験で、パリ五輪も早くまたやりたいと思う」と、年間2億円の年収があるとも言われるプロのトップサーファーが、ピュアな様子でメダルをうれしそうに何度も触っていた。また都築は、朝からカメラマンに撮影される人数に驚いたと明かし「今でも信じられなくて、夢の続きを見ているみたいだなと思っています。五輪の影響力って本当にすごいんだな」と、日頃注目を浴びなかった競技に突如当たった「スポットライト」にまぶしそうに目を細めていた。
印象的なのは、2人がサーフィンの魅力について語ったコメントだった。都築は「地球を感じる」とし、「波があって、虹が見えたり、風を感じる。サーフィンしかない感覚」とうっとりするような表情を見せる。五十嵐も、「波を探して、それに乗って、また探して・・・本当に楽しくてサーフィンは特別」と言う。サーフィンという新競技の魅力を口にしていたが、若い2人が自然と一体化し、その中で自然を愛し、サーフィンを愛する生き方がとても魅力的に見える。いつものメダリスト会見とはまた一味違う、爽やかな風が吹き抜けるような会見だった。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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