なでしこジャパン 準々決勝でスウェーデンに1-3で敗れ敗退 2大会ぶりの五輪復帰もメダルに届かず
30日=埼玉スタジアム なでしこジャパン(FIFAランキング10位)が4強をかけて、今大会絶好調、負けなしで準々決勝まで進出したスウェーデン(FIFAランキング5位)と対戦。スターティングメンバーはGK山下杏也加、DF清水梨紗、熊谷紗希、南萌華、宮川麻都、MF杉田妃和、中島依美、三浦成美、長谷川唯、FW岩渕真奈、田中美南と、グループ戦からまたメンバーを変更しコンディションを優先した構成で臨んだ。グループステージを勝ち点4、3位で抜けたなでしこは、初戦で、圧倒的な強さを誇ってきた米国に実に45試合ぶりの土を付けたスウェーデンに対して、持ち味のショートパスをスピードでつなぐ展開を選択。しかしランキング上位の国との対戦では、立ち上がりに身体能力の差や球際でのパワーにどうしても押される。高倉監督指揮下で解決しない、この立ち上がりの試合の入りをつかれ、7分、ヘッディングで失点を喫してしまう。ノックアウト方式で、早い時間帯に追いつかなくてはらない状況で、23分、右サイドを、DFライン、熊谷、清水、長谷川とつなぎ、長谷川がDFラインとGKの間を狙う精度の高いクロスをゴール中央へ、走り込んだ田中がワンバウンドを左足で押し込んで同点とした。33分には、田中がエリア内で倒され、PK獲得と一度は判定されたが、VARレビューでノーファールに。追加点のチャンスだったが、1-1で前半を折り返した。
後半メンバー交代はなかったが、またも序盤8分、ペナルティエリア手前からのスルーパスにスティナ・ブラックステニウスが、清水の裏に抜け出す。GK山下と1対1となり、ペナルティエリア左から左足で放ったシュートを決められ、勝ち越しされた。後半の立ち上がりも失点から入る苦しい展開としてしまった。23分には、三浦がVARレビューの後、ハンドの判定でPKを取られ、アスラニに決められた。1-3の劣勢に、高倉監督は2点を奪って追いつくしかない状況に三浦に代えて、26分、遠藤純を投入。しかし、メンバーを入れ替え、運動量を維持するスウェーデンに対して体力を消耗させられ、シュートもコースを捉えられない。37分には長谷川を北村に、残り5分、中島を林に代えたものの、ゴールにはつながらず後半2失点が重く響いて1-3で、なでしこは8強で姿を消した。ロンドン五輪の銀以来となるメダル獲得はならず、19年のW杯で敗れたオランダと同じく、欧州のフィジカル、スピードに対抗するサッカーの答えが出せなかった。