スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年7月24日 (土)

なでしこジャパン、五輪E組でイギリスに0-1で敗れ勝ち点1のまま最終戦(チリ)へ

24日=札幌ドーム 女子サッカーE組グループリーグ第2戦、日本代表「なでしこジャパン」は、強豪で苦手の英国と対戦した。初戦のカナダ戦を引き分けに持ち込んで勝ち点1を手にした日本にとって、グループリーグ突破には勝ち点を奪わなければいけない相手。高倉麻子監督は、21日のカナダ戦から先発をGKの山下に代えるなど、5人を入れ替え、23日の練習は足を痛めたのか別メニューだった岩渕真奈をベンチに置いた。日本は初戦から5人のメンバー変更を行った影響か、パスミスをする場面も多く、特にボランチの中島のボールロストが目立つ。カナダ戦でも立ち上がり6分に失点しており、強豪との対戦では立ち上がりの失点で、自分たちを追い込んでしまう展開で、英国戦もそこが大きな課題に。前半は、マンチェスター・シティに在籍する7人の先発に、両サイドでも圧倒されるなどセカンドボールも支配されてしまった。しかしカナダ戦よりも組織的に、前線からの守備でリズムをつかみ、積極的にシュートを打つ。英国の強力な両サイドを丁寧な守備で退け、前半0-0。ボールのキープは英国に54%と保持されたが、シュートは、代わった林の積極的なミドルシュートもあり7本と英国の5本を上回った。
 
後半、高倉監督は塩越に代えて椛木、林を三浦、田中を遠藤と、試合が進むなかで交代カードを切る。後半も英国のプレッシャーにボールを持てない時間が続くが、早いチェックから複数でボールを囲む連動性と粘り強い守りで失点しない。中盤25分分過ぎ、日本のポゼッションは42%と下がった。苦しい時間は続き29分、右サイドを割られブロンズからのボールにホワイトが走り込んでヘディング。これが飛び出した山下の後方を抜けてゴールに。粘った守備の網を破られてしまった。残り10分、20年に「アストン・ヴィラ」、今年6月から「アーセナル・ウィメンFC」に加入する岩渕が入り、中島が交代。しかしゴールは生まれず、0-1で敗戦し、勝ち点は1のまま。イングランドが勝ち点6、カナダが勝ち点4、チリは0。最終戦となるチリ戦で勝利して突破を狙う。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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