スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年6月22日 (火)

サッカー東京五輪代表18人発表「共に戦ってきた仲間たちの思いを胸に、日本のために全力を」森保監督 海外クラブから過去最多の9人選出

22日=オンライン 日本サッカー協会(JFA)は、7大会連続で臨む東京五輪U-24日本代表メンバー18名を発表した。海外クラブに在籍する選手は過去例にない9人と多数になり、オーバーエージ枠3人も海外クラブの選手だけで初めて構成、延期の期間で代表入りした三苫薫など、キャリア、年齢ほか厚みのある代表となった。1968年のメキシコ大会での銅メダルが最高成績。森保一監督は「金メダルを獲得するための目標に、現時点でベストなメンバーを選んだ。(五輪を目指して)活動を開始した2017年12月からのべ90人が、五輪を目指してくれたことに感謝したい。選ばれた選手には、これまで戦ってきた仲間たちの思いを胸に、そして日本のために全力を出し切ってもらいたい」と、冒頭、悩み抜いた選手選考についてコメントした。注目の代表メンバー、MF久保建英やMF堂安律、DF冨安健洋といったフル代表でも実績を重ねるメンバーが主力となる。3人まで認められているオーバーエイジ枠も、既に招集を受けていたDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航と、それぞれが過去に五輪に出場する経験を持ち合わせている。U-24日本代表は今後、7月12日にU-24ホンジュラス代表、同17日にU-24スペイン代表とキリンチャレンジカップ2021でそれぞれ対戦。本大会では、U-24南アフリカ代表(7月22日、東京スタジアム)、U-24メキシコ代表(同25日、埼スタ)、U-24フランス代表(同28日、横浜国際)と、中2日の厳しいスケジュールの中グループステージ突破をかけて争う。
今回、選手だけではなく、フィジカルコーチ2人を選出している点も注目される。五輪ではスタッフに配布されるADも限定されているなかで、コロナ禍、熱中症と様々なリスクに準備するために2人のフィジカルコーチが入った。反町委員長は「新型コロナウイルスに感染しないようにすることと、中2日で高温多湿の環境で戦う前提でフィジカルコーチ2人に入ってもらった。コンディショニングを限りなく重要に考えている」とし、他国に比べてアドバンテージがあるとみられる環境への順化で、さらに地元の利を生かす考えを明らかにした。

■U-24日本代表・東京五輪メンバー 数字は背番号

GK 1 大迫敬介(サンフレッチェ広島)12 谷晃生(湘南ベルマーレ)
DF 5 吉田麻也(サンプドリア/イタリア)2 酒井宏樹(浦和レッズ)
4 板倉滉(フローニンゲン/オランダ)3 中山雄太(ズヴォレ/オランダ)
13 旗手怜央(川崎フロンターレ)
14 冨安健洋(ボローニャ/イタリア)
15 橋岡大樹(シント=トロイデンVV/ベルギー)
MF 6 遠藤航(シュトゥットガルト/ドイツ)16 相馬勇紀(名古屋グランパス)8 三好康児(アントワープ/ベルギー)11 三笘薫(川崎フロンターレ)10 堂安律(PSV/オランダ) 17 田中碧(川崎フロンターレ)7 久保建英(レアル・マドリー/スペイン)
FW 9 前田大然(横浜F・マリノス)18 上田綺世(鹿島アントラーズ)
バックアップメンバー4名
GK22 鈴木彩艶(浦和レッズ)DF20 町田浩樹(鹿島アントラーズ)21 瀬古歩夢(セレッソ大阪)
FW19 林大地(サガン鳥栖)

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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