スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年6月26日 (土)

五輪選考会を兼ねた陸上日本選手権(大阪・長居)3日目、男子3000㍍障害は順大三浦が日本新で、男子400㍍ハードルも法大の黒川が優勝で五輪内定 

26日=大阪・ヤンマースタジアム長居 東京五輪選考を兼ねた陸上の日本選手権3日目が行われ、男子3000㍍障害では、すでに参加標準記録を突破していた三浦龍司(順大)が、水ごうで転倒するアクシデントながら加速し、強い気持ちで立て直し8分15秒99の日本新記録で優勝、五輪代表に内定した。また、2位の山口浩勢(愛三工業)、3位の青木涼真(ホンダ)も、このレースで標準記録を切って3位に入り代表に内定した。4人が参加標準記録を突破し、4人とも決勝に進出した男子400㍍ハードルは、法大の黒川和樹が「前日から(プレッシャーによる)胃痛でどうしようかと思った」と、最年少のランク1位の重圧と戦いながら積極的なレースで優勝、安部孝駿(ヤマダホールディングス)も2位に入り、ともに五輪代表に内定した。この日、3000㍍障害3人、400㍍障害2人と、合計5人が内定し、25日の男子100㍍多田修平、山県亮太、女子やり投げの北口榛花に加わった。27日最終日となる。大舞台で大学生の奮闘ぶりが際立った。

 男子110㍍障害では、順大の村竹ラシッドが予選で13秒28と五輪参加標準記録を突破。決勝は、金井大旺(ミズノ)、高山峻野(ゼンリン)、泉谷駿介(順大)に次いで4人目、決勝は熾烈な争いとなる。
 男子200㍍には、100㍍の決勝で山県とは1000分の1秒差で3位以内に入れなかった小池祐貴(住友電工)が出場。山下潤(ANA)と同タイムの20秒72で決勝に進出し「僕は100,と200の選手。優勝を目指す」と、サニブラウン・ハキームが欠場するなか、プライドをのぞかせた。
 標準記録は突破していないが、ランキングで上位につけている飯塚翔太(ミズノ)も予選を通過し、25日が誕生日だったため、「30歳最初のレースからもうひとつレベルを上げていけるように」と、話した。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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