東京五輪・パラリンピック サッカー界が初めて日本代表、なでしこに加え、ブラインドサッカーと同一ユニホーム着用「サッカーで日本をひとつに」
30日=オンライン 日本サッカー協会(JFA)は、Jリーグ、女子プロリーグ「WEリーグ」、JIFF(日本障がい者サッカー連盟)、日本ブラインドサッカー協会(JBFA)と共に東京五輪に向けて「TEAM FOOTBALL JAPAN 2020」―サッカーで日本をひとつに、を結成すると発表した。東京五輪には男子U―24(五輪)代表、女子代表なでしこジャパン、パラリンピックには5人制サッカー=ブラインドサッカー代表が出場し、本番では3チームが同じアディダス社のユニホームを初めて共通で着用する。男・女、障害の有無を超える機運を高める取り組みで、JIFFの北沢豪会長は会見で「日本代表として同じユニホームを着て試合できるのは長年の夢であり、こうして実現でき感激している」と、すでに6年の会長活動でひとつの目標をクリアした喜びを表現。日本ブラインドサッカー協会の塩嶋史郎理事長も「思いを一つに、ワンチームで臨めるのは大変うれしく思う。選手たちのモチベーションにもつながる」と話した。
2015年、それまで個々に障がい者サッカーの団体で活動していた7団体(ブラインドサッカー、ろう者=聴覚障害サッカー、アンプティサッカー=切断障害、CP=脳性麻痺サッカー、ソーシャルフットボール=精神障害、知的障害者、電動車いすサッカー)を、法人格のもと日本障がい者サッカー連盟として取りまとめた。法人化により、これまでは人的な交流などしかできなかった日本協会は、グラスルーツ推進部が中心となった本格的な支援が可能に。その延長戦上に、FA(イングランドサッカー協会)が世界でもいち早く行ってきた、障がい者サッカーの各団体とイングランド代表が同じユニホームで活動している理想的な共存を目指し、ここまでこぎつけた。JFA田嶋幸三会長は「(FAの活動を)非常に素晴らしいことだと見ていた。まさに歴史的なことだと思う」と喜んだ。
JBFAはすでに29日、東京パラリンピック日本代表候補選手として推薦選手10名を発表。キャプテンの川村怜はこの日VTR出演で「ずっと憧れてきた日本代表と同じユニフォームを着て、今回戦うことができて非常に嬉しいですし、誇りに思います。金メダルを目指して、日本の勝利を届けられるように、全力を尽くしてがんばります」と強い思いを示した。吉田麻也、熊谷紗希もVTRで「ひとつのチーム」として戦える喜びを口にする。
Jリーグの村井満チェアマンも会見に出席し、コロナ禍で様々な困難がある今の時期にこそ、こうした取り組みに価値があるとしたうえで、「サッカーで日本をひとつに、というスローガンもそうだが、先ずはサッカーが(多様性を受け入れて)ひとつに、ということだと思う。今後全国40都道府県57のクラブそれぞれでこうした活動が広がると期待している」とした。 今後も「ひとつのチーム」として同一ユニホームを着用できるよう、「契約に盛り込みたい」と田嶋会長は将来の展望を明かす。ただ、様々なスポンサーが、日本協会と障害者サッカー協会のスポンサーとして協力し、それがバッティングするなど、本当の「ひとつに」を将来的にも継続的に実現するためには、今後整備すべき課題は残っている。