東京五輪開会式まで3日で50日 大会ボランティア8万人のうち約1万人が辞退も、オリ・パラ兼任希望者も「本当に感謝したい」武藤事務総長
2日=都内 東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(77)が取材に応じ、大会を支えていく約8万人の五輪ボランティアの辞退者が、1日までに約1万人に上ったと明らかにした。個別の理由は確認しないものの、新型コロナウイルス感染拡大への懸念や、1年延期に伴う生活環境の変化、また具体的に受け取ったシフト表(スケジュール)を見て「活動が難しいと判断されたのではないか。皆さんの環境の変化も(1年で)あったと思う」と武藤氏は推察。2月に、組織委員会・森前会長の女性を差別するような発言で辞任した当時、約1000人が抗議の辞退をしたと見られたが、その後3月になり、新型コロナウイルスの感染拡大で、辞退者が増えていったという。組織委は3月、感染症対策の基本ルールをまとめ、活動時に使うためのマスク(2枚)や携帯用のアルコール消毒液、体調管理を記録する小冊子を配布すると発表。しかしボランティアの中には「今の感染症対策では不十分」とする不安の声もあった。
5月に入り、IOC(国際オリンピック委員会)は、日本選手や関係者に加え、審判や通訳ら国内の大会関係者約2万人にもワクチンを無償提供すると申し出たが、接触する可能性の高い誘導役などのボランティアに限られるため、ワクチンなしでの活動への不安は払しょくされていない。
こうした辞退者が出た一方で、五輪後のパラリンピックと両大会での活動を希望する「ダブル・ボランティア」の希望者が出ており、武藤氏は「コロナ禍で当初の計画が色んな形で簡素化されて大きく変わったが、ボランティアでオリパラ両方で働いてもいいという方も出てきた。運営には特段問題ないと思う。これだけ多くの方に参加いただき本当に感謝申し上げたい」と話した。7月23日の開会式まで、3日であと50日となる。