スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年6月12日 (土)

18人の代表選考前最後の強化試合ジャマイカ戦に4-0で勝利 横内監督「選考の骨格は決まった。あとは・・・」下旬にメンバー発表

12日=豊田スタジアム(4029人)晴れ、気温27.7度、湿度46% 
 オリンピックを目指すU-24(24歳以下)日本代表がジャマイカ代表との親善試合に臨み4-0で勝利した。今月下旬に発表される五輪代表18人決定前最後の「テスト」となる強化試合を終え、今月下旬に18人が発表される。
 日本は1トップに前田大然が入り、2列目に久保建英、三笘薫、堂安律を起用。ボランチには田中碧と遠藤航、DFは酒井宏樹、吉田麻也、町田浩樹、旗手怜央、GKは谷晃生を先発と、オーバーエージ3人を起用した。
 日本は立ち上がりから、速い展開で主導権を握りジャマイカに攻め込み、32分には、「日本の武器のひとつと思っている」と、横内監督が話す素早いリスタートから仕掛ける。飲水タイム中に、酒井が久保に対して「(リスタートからの攻撃を)準備しといて」と声をかけ、2人のコンビネーションから酒井のスローインを受けた久保がドリブルで切り込んで、左足で2試合連続ゴールを決めて存在感を示した。さらに42分、三笘からのパスを受けた遠藤がミドルシュートで追加点を奪って2-0でハーフタイムに入った。

 選考前最後の試合に、横内監督はチャンスを広く与えるために後半からGKを代えて、鈴木彩艶を投入。FW上田綺世、DF瀬古歩を加えた後半12分、三笘がドリブルで中盤の混戦を抜け、前線を走る上田へスルーパスを送ると、上田はループシュートでこれを決めて日本が3-0とした。19分には交代で入った相馬勇紀が4点目をアシストしこれを堂安が決めて4-0とした。
 日本はさらにDF橋岡大樹、MF食野亮太郎、三好康児を投入し、各選手が最後まで五輪メンバー入りへ精いっぱいのプレーを見せた。試合はそのまま4-0で終了。2017年12月から、地元での金メダルを目標に掲げて五輪代表を兼任監督の森保一監督と動かしてきた横内監督は試合後、「(代表選考の)骨格は決まった。ここまであっという間だった。この試合を最後に、選ばれる選手とそうでない選手が出るが、A代表という(高い目標は)ずっと続く。常にそこを目指して欲しい」と選手に伝えてロッカーを後にしたという。今後、森保監督ら強化スタッフとの選考を行い、下旬に18人が発表される。

 酒井が飲水タイムに久保に指示した速いリスタートからの仕掛けに加え、後半途中には守備で3バックを試し、遠藤―田中のボランチの動きも、相手のパターンによって左右を変えるなど精度を上げている。横内監督は「日に日に噛み合ってきたかな」と、手応えを口にした。

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

カテゴリー

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」