スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年6月 5日 (土)

体操全日本種目別選手権 鉄棒で4度目の五輪に挑む内村航平 H難度と着地も完璧に止め15・766の高得点で6日、最後の演技へ「(6日へ)気力を振り絞って・・・」

5日=群馬・高崎アリーナ 東京五輪最後の選考会となる体操の全日本種目別選手権が行われ、個人総合から鉄棒1種目に絞って4度目の五輪を狙う内村航平(32=ジョイカル)が、H難度の「ブレトシュナイダー」など離れ技を全て決め、着地も完璧に止めて見せた。場内から大きなどよめきが起きる高得点15・766をマークして、あす6日、五輪を決める最後の演技に臨む。内村は今選考会、全日本の種目別トライアウト(予選)で15・166、決勝で15.466,先月のNHK杯では15.333をマーク。世界ランキングに合わせて独自の得点が設定されており、内村はここまで110点を獲得。この日の高得点でさらに40点を追加し150点とした。
「個人枠」わずか1の座は、跳馬のスペシャリストで「ヨネクラ」を持つ米倉英信(徳洲会)と一騎打ちに。米倉も今大会までに110点と内村と同点で、この日30点を加算して140とした。内村は会見で「自己採点では15.4くらいだった。着地の印象がすごく良かったのではないか」と冷静に分析。大一番で着地が完璧に決まった理由を、「練習を十分に積んで、ピークを合わせられた」と話し、6日の演技に「きょうも満足はできなかった。気力を振り絞ってやりたい」と、五輪切符以上に、納得いく演技へのこだわりを口にした。
米倉も2本で15・016をマークし30点を獲得した。内村とも話したという。「こういうところで決めるのはさすが、と言ったら、米倉も凄いよと言われた。出来レースじゃなくて、(最後まで得点を争うため)やっぱり燃えるよね、と話しました。2人の演技に注目してもらえるので力が入った。あすは食らいついていきます」と、熾烈な個人枠争いに「ヨネクラ」の成功を誓った。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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