男子10000㍍は伊藤達彦がVで内定獲得 「疲労骨折に肉離れ・・・正直あきらめていた」大逆転の五輪出場権奪取
男子1万メートルは、地元静岡出身の伊藤達彦(23=ホンダ)が27分33秒38で日本選手権初優勝を果たしし、東京五輪代表に内定した。伊藤は昨年12月の日本選手権では、27分25秒73をマークしすでに参加標準記録(27分28秒00)と突破。この日、3位以内に入ったため代表権を手中にした。序盤から外国籍選手が参加標準記録ペースで引っ張り、中間の5000メートルを13分48秒で通過。6000メートル付近からは大学生の鈴木芽吹が日本勢のトップに立ち、田沢廉(ともに駒大)、伊藤の3人が外国籍2選手と先頭集団を形成。残り700メートルでスパートした伊藤が、大学生2人を振り切った。田沢が27分39秒21で2位、鈴木芽が27分41秒21で3位だった。男子1万メートルはすでに昨年12月の日本選手権で相沢晃(旭化成)が27分18秒75の日本記録をマークして優勝し内定、伊藤が2人目となる。
今年1月のニューイヤー駅伝レース中に両大腿(だいたい)骨の疲労骨折と、ハムストリングの肉離れが判明。2カ月間、ジョギングもできず「正直(五輪を)あきらめていた」と吐露する。それでも周囲の支えや、トレーナーの的確な補強メニューで選考に間に合わせ、地元・静岡で気持ちのこもったスパートを見せた。