スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年5月16日 (日)

体操NHK杯 19歳の橋本が逃げ切り、萱とともに東京五輪代表入り「五輪で金メダルを目指す」

16日=長野(ビッグハット) 東京オリンピックの体操男子代表の選考会を兼ねたNHK杯で個人総合が行われ、4月の全日本選手権を初制覇した19歳の橋本大輝(順大)が259・530点で 初優勝し、初めての五輪代表入りを決めた。2位で259・394点で 2位になった萱和磨(24=セントラルスポーツ)も初の代表に入りを決めた。リオデジャネイロ五輪では補欠だった無念さを5年かかって晴らした。NHK杯は4月の全日本選手権の予選、決勝と、16日の得点の合計で争われ、上位2人が五輪の団体総合メンバーに決定。4人の団体総合メンバーのうち残る2人は、6月の全日本種目別選手権の終了時点で決定する。
橋本が平行棒でミスをしたため、5種目終了時点で2位の谷川航(セントラルスポーツ)とわずか0.004点差、その次の萱が0・603点と五輪代表2枠を巡って鉄棒に入る大激戦に。橋本は試合直後のフラッシュインタビューで「どういう気持ちで演技しようというのが難しくて、怖くて緊張もあって・・・」と心境を吐露しながら、「きょうは優勝できて一安心だが、演技内容を振り返ると満足はいくものではなかった。オリンピックではエースとしてチームを引っ張っていけるように頑張りたい」と、初の五輪で目標を掲げた。萱は、リオでは補欠にとどまった。場内インタビューで聞かれると「えー、まぁ・・・」としばらく涙ぐんで絶句。「5年長かったなぁ、と、こんなところ(五輪代表が決まった時点で)で泣いているようではまだまだだと思う」と、団体金の「経験者」として前を向いた。

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」