スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年4月17日 (土)

体操の東京五輪選考会全日本選手権 女子は村上茉愛が5度目の優勝で代表へ前進「オリンピック会場をイメージして演技した」

17日=高崎アリーナ 東京オリンピック代表選考を兼ねた体操の全日本選手権3日目は女子の個人総合決勝が行われ、村上茉愛(まい、日体ク)が56・298点をマークし、予選との合計112・564点で2年連続5度目の優勝を飾った。2位には畠田瞳(セントラルスポーツ、110・598点)、3位は平岩優奈(戸田スポーツク、108・631点)が入った。東京五輪代表選考会は、5月のNHK杯を合わせた成績で上位3人が代表に内定する。村上は高崎アリーナでの大会もオリンピック会場の有明をイメージして演技したとし、「最近なかなか14点に乗せられずにいた」というゆかで、ダンス系を磨くなどし14・366まで点数をあげられた収穫を口にした。平均台では落下を反省。「得点を意識するあまり演技が小さくなってしまった。もう少し平常心で通してできるようにしたい」と、NHK杯での修正を課題にした。畠田は、予選では緊張のあまり睡眠がとれなかったと告白していたが、決勝は「爆睡でした」を笑った。4位には、リオデジャネイロ五輪代表だった杉原愛子(武庫川女子大)、5位は米国育ちで米国ジュニアで実績をあげコロナ禍で帰国した相馬生(そうま・うい、朝日生命)、6位にベテランの寺本明日香(ミキハウス/レジックスポーツ)が入った。寺本は段違い平行棒で落下。「(6位で五輪が)狙えるのか分からないところにいるんで・・・かえってどれだけ修正できるか。今は、恐怖から解き離れた感じです。試合をやるのが怖かった」と、女子体操界をリードしてきた第一人者でも、五輪選考会の重圧を率直に口にしていた。18日は男子の決勝が行われる。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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