Jリーグ、プロ野球29回目のコロナ対策会議 G大阪、ゲノム解析で感染伝播はバス移動よりロッカーの可能性
5日=オンライン JリーグとNPB(日本野球機構)の新型コロナウイルス対策連絡会議29回目が行われ、3月に8人の陽性者を出し、6試合を中止にしたJ1・G大阪に対して、遺伝子レベルでの「ゲノム解析」を実施したところ、当初有力視されていたバス移動中の感染よりも、ロッカー内での会話などがウイルスの伝播に強く関わっている可能性が高いと分析結果が報告された。これについて、専門家チームの賀来満夫座長は、ロッカー室内での換気をはじめ、会話をする際のマスク着用、社会的距離の確保など「改めてロッカーの環境、リスクの再評価を徹底して頂きたい」と助言した。Jリーグでは試合直前に陽性者が発覚し、試合開催可否を迫られるケースに向け、これまで2週間に1度実施してきた定例のPCR検査に加え(各クラブでの無症状検査もそれぞれが実施)、オンサイト(現地)で抗原定性検査などを導入する方針を示した。村井チェアマンは「全57クラブが試合前に現地で検査を実施するようになるとは想定していません。チーム内で陽性判定が出た場合、一定の必要性を判断した場合、オンサイトを限定的に行う。
疫学調査とともに遺伝子レベルでのゲノム解析を行うと、可能性の高い感染ルートをより詳細に追える。G大阪の感染事例でが、有力視された移動中のバスでの洗面所などではなく、ロッカールームでの行動が、感染リスクを高めたと判明した格好だ。巨人、ヤクルトで感染者が出たプロ野球でも、斉藤惇コミッショナーが「G大阪の事例は非常に詳しいゲノム解析の内容をいただいた。プロ野球での2件の事例にも、ゲノム解析をベースにした徹底的な分析をして対策をとっていきたいと思う」と話した。会見に出席した専門家チームの三鴨広繁氏(愛知医科大)は「選手らと接点のある出入り業者の方々の検査、健康チェックシート記入なども厳守していくべき。検査は、感度よりも、頻度が重要だと思う」と、偽陽性などのリスクはあるとしても、全体の検査数を底上げして、スポーツの開催可否などの判断に使っていくべきとの見解を示した。