スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年4月23日 (金)

東京五輪・パラリンピック組織委員会橋本会長 コロナ対策ガイドライン第二版を来週発表へ「運営を司る責任者として毎日不安はたくさんある」

23日=都内 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長(56)が五輪開会式までちょうど3か月となったこの日、都内で定例会見を行い、3度目となる緊急事態宣言が発出される事態に五輪中止を考えるか聞かれ、「組織委員会として中止は考えていない」と明言し、改めて、五輪の開催への準備を進めるとした。海外メディアからはさらに「冷静に考えて本当に開催できると思うか? 全く不安がないとすれば普通ではない」と辛らつな質問が。橋本会長は「冷静に考える、考えないということではなく、普通に考えても、やはり不安はたくさんあります。運営を司る責任者として不安は毎日ある」と苦しい胸の内を明かした。低い支持率のなかで、国内の医療機関に支障など常にあらゆる想定のもとに、「そういった(関係者の)方々の思いに寄り添えば寄り添うほど悩みは毎日多くなっていきます」と、組織委員会会長としての重い責任を口にした。
この日は、時事通信社の「内外情勢調査会」で1時間半の講演にも臨み、組織委員会が来年6月まで維持されると明かし、現在第二版を作成中に新型コロナウイルス対策のガイドラインとなる「プレーブック」を来週中(28日に予定)には発表し、選手、関係者により明確な安心の形を提示すると確約した。こうしたガイドラインを確認したうえで、
 夏冬含め7度目の五輪出場があるトップアスリートとして、「自身なら(コロナ対策で大変でも)「東京に出場したい。自国開催の大会は二度と巡ってくることもない最大のチャンス。自国開催でメダルを獲る大きな夢は、誰にもなし得ることもできない巡り合わせ。もし今回私がアスリートなら自国開催の大会は出たいと思う」と、強い思いを口にしていた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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