スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年4月 2日 (金)

東京五輪開会式まで112日 開閉会式演出責任者の後任は置かず「これまでの役割分担を連携、強化」橋本会長定例会見で明かす

2日=都内 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)の定例会見が行われ、新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」が大阪で発出され、吉村洋文知事、松井一郎市長が大阪市内で14日に行われる聖火リレーを中止する意向を示している件について、「大阪府、実行委員会、自治体と組織委員会の聖火リレーのチームができるだけ早く対応するべく協議している」と話した。公道でのリレーは行わないよう、競技場や公園内など観客を入れない形での実施を検討中。今後、さらに感染状況が全国で拡大した場合を前提に、「直前に状況が変わるケースも多々ある。日々変わるそれぞれの地域の感染状況を踏まえ、できるだけ早く決めながらも直前で変わる対応もできるようにしたい」と、リレースタート前に組織委員会内に発足した「事態対応チーム」(武藤事務総長)の柔軟性を持った対応を改めて求めた。
また、会長は、開閉会式の演出統括者として、出演者である女性タレントの容姿を蔑視するような演出提案を行い、辞任したクリエーティブディレクター・佐々木宏氏(66)の後任人事について、新たな演出家を任命せず、演出、振り付け、音楽それぞれの担当責任者によって最終調整すると明らかにした。既に計画はほぼ準備ができIOC(国際オリンピック委員会)も了承しているため、残り120日で計画を変更するのは困難との判断による。
 橋本会長は3月19日の会見では、「かなりのものが出来上がっている中、どのような方にトップになっていただくのがいいのか。チームと相談していかないといけない」と、後任を置く方向性を示したが、この日の会見で「これまでの役割分担を連携、強化して仕上げていってもらおうという考えに至った」と、異なる判断となった理由を説明した。
 観客の上限については、4月中に、プレーブック(感染症対策を示した運用の基準)を改訂する作業と同時に、観客上限を定めていくとした。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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