東京五輪・パラリンピック開閉会式の責任者・佐々木氏 渡辺直美さんへの侮辱を謝罪し辞任 午後橋本会長が会見
18日 東京五輪・パラリンピックの開閉会式の責任者であるクリエーティブディレクターの佐々木宏総合統括が、タレントの渡辺直美さんを開会式で起用するプランに侮辱するような演出を提案していた、と「文春オンライン」が17日報じた件について、佐々木氏は17日夜、大会組織委員会・橋本会長に電話で辞意を表し謝罪文を発表した。18日昼過ぎに橋本聖子会長、武藤敏郎事務総長が会見を行う。
佐々木氏は、以下のコメントを組織委員会を通じて発表した(抜粋)
LINEのグループラインの中において、オリンピック開会式のアイデアフラッシュを仲間うちでやり取りする中で、私のアイデア及び、発言内容に、非常に不適切な表現がありました。出演者の候補として名前が上がっていた渡辺直美さんに対する演出アイデアの中でオリンピックの語尾をピッグという駄洒落にして、オリンピッグという名前のピンク色の衣装で、耳がぶたのはどうだろう、というような発案をしました。アイデアをLINE上で書き、みんなの意見を聞きましたが、他のメンバーからは手厳しく『一時的なアイデアだとしても、言うべきじゃない』などと、LINE上で非常に怒られ、私も、その場で、大変恥ずかしながら、スタッフからの率直な直言で目が覚めました。メンバー全員にLINE上で謝り、撤回しました。気づかせてくれたことに礼も言ったつもりです。私が調子に乗って出したアイデアです。「渡辺直美さんに対しては、大変な侮辱となる私の発案、発言となること。これは取り返しのつかないことです。心から反省して、ご本人、そして、このような内容でご不快になられた方々に、心からお詫び申し上げます。
佐々木氏は当初、開閉会式の演出チーム内でパラリンピックの演出統括を務めていた。新型コロナウイルスの感染拡大による大会の簡素化で昨年12月、オリンピックの演出を統括していた狂言師の野村萬斎さんに代わり、総合統括に就任。これにともない萬斎さんらの演出チームが解散する結果となった。
組織委の森喜朗前会長が2月に「女性が多い会議は時間がかかる」などと、女性を差別する発言で国内外、IOC、スポンサーに至る批判を受け、引責辞任したばかり。25日には、福島から聖火リレーが始まる。ただでさえコロナ禍で国民の開催への支持が低調な中、五輪・パラリンピックで国や人々、理念や理想を象徴する開会式の責任者が、あまりにも不用意で無知な発言をしていた事実が国内外に報じられ、大会はまたも大きなダメージを受けてしまった。