東京五輪・パラリンピック組織委員会 高橋尚子氏、アイヌ協会芳賀氏ら多分野から女性理事増員「(42%の比率より)大事なのは何をすべきか」橋本会長
3日=都内 東京五輪・パラリンピック組織委員会は臨時評議員会を開き、理事会の女性理事の割合を増やすために理事数45人とする定款の変更と、シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子氏(48)ら12人を新たに理事として承認した。これによって組織委の理事の女性理事は7人にプラス12人で19人となり、比率は20・6%から42・2%と一気にガバナンスコードの目標値である40%を突破した。新しく選任された理事では五輪・パラリンピックに出場した選手は、高橋氏と大日方邦子(48、長野五輪チェアスキー金メダリスト、日本パラリンピアンズ協会会長)の2人だけだが、多様性を考える上重要な日本の民族文化、アイヌ協会員の芳賀美津江枝さんなど、スポーツ医学、政策といった多分野から人選。評議員会での承認後にオンラインで記者会見を行った橋本聖子会長(56)は「早急に(女性理事の)比率を上げさせていただいたが、大事なのは何をすべきかということ。専門家の皆さんの提言をまとめ、しっかりと発信していきたい」と話した。評議員の1人、川淵三郎氏は会議後、「それぞれが専門家で、何を発信するのかを明確に感じる素晴らしい人選です」と人選を評価し、今後の理事会運営に期待を寄せた。
新しい理事は以下の通り
大日方邦子(おびなた・くにこ、日本パラリンピアンズ協会会長)、斎木尚子(日本スケート連盟副会長)、佐々木かをり(イー・ウーマン社長)、白石弥生子(東京都障害者スポーツ協会会長)、白波瀬佐和子(しらはせ・さわこ、東大教授)、高橋尚子(JOC理事)、芳賀美津枝(登別アシリの会代表)、林いづみ(弁護士)、日比野暢子(桐蔭横浜大教授)、籾井圭子(JOC常務理事)、矢野晴美(国際医療福祉大教授)、來田享子(らいた・きょうこ 中京大教授=以上敬称略)